今から何十年も前の話
彼女は小学生だった
彼女は小さい頃から恐竜が好きで
恐竜の本を買ってもらっては
そればかり読んでいるような子供だった
その子の家の周りは
今みたいに家もあまり建ってなく田んぼや畑、空き地がいっぱいあった
学校の帰り道、その女の子は
仲の良かったお友達と一緒に
いつも原っぱでトカゲを捕まえては
家に連れて帰り
飼育ケースでトカゲを飼っていた
彼女はトカゲが大好きだった
恐竜の様な見た目も好きだったし
トカゲを手に乗せてナデナデすると
目をつぶって気持ちよさそうにする
それがすごく可愛かった
爬虫類が大好きで
トカゲはもちろん蛇や
イグアナ、カメレオン…
いわゆる爬虫類系女子だ
中でも一番好きなのはワニだった
ワニのかっこいい顔が大好きだった
水の中から目だけを出し
ゆっくりと獲物に近づく
その姿が好きだった
その頃の夢は
ワニの歯をブラシで磨くこと
ワニを本気で飼いたいと思ったこともある
それくらいワニが好きだった
昆虫も平気で捕まえるような
女の子というより
男の子みたいな子供だった
それから月日は経ち
女の子は大人になり
お母さんになった
子供の幼稚園で
誰かが捕まえた
大きなカマキリが逃げ出した時
すぐに彼女が手で捕まえた
それを見た子供達はもちろん
お母さん達が凄いねってびっくりしていた
一見すると物静かで女性的に見える
でも中身は全く真逆の男っぽさに
最初は驚くかもしれないが
知るうちにみんな彼女を好きになる
だけど
そんな姿を簡単には見せない
静かに息を潜めている
そうワニの様に…
