町屋というのは、読んで字のごとくの、昔ながらの町家だ。

 

 

村上という所は、太平洋戦争時の空襲にもあわず、幕末の戊辰戦争の戦災も免れ、江戸後期あたりからの家屋が、今も残っている。

 

昔は間口の大きさで税金が決められたとかで、どの家も、間口は大きくないが、うなぎの寝床式に、奥行きが広い。

 

中ほどにある部屋は、吹き抜けになっていて、採光のために天井に窓がついていたりする。

 

電気のない時代は、こうして明かりをとったのか、と感心する。

 

  


こういう町屋、実は、京都にもある。

 

しかし、京都の町屋は、正直見学しにくいのだ。

 

最近では、町屋をカフェや雑貨店に改造して、入りやすくなっている所もあるけれど、それでも、食事や買い物などの用事がないと、入れない。

 

村上の町屋は、3月の「人形さままつり」、9月の「屏風まつり」の際には、町屋の皆さんのご好意で、中を見学させてもらえるのだ。

 

 

そして、村上の町屋は、生活の匂いがする。

 

見学させていただくために、土間を入ってお部屋を見ると、その部屋には、神様が祭られ、壁には、ご先祖様の、写真が額に入って飾られているのだ。

 

そういえば、昔、田舎の家では、ご先祖様の顔の絵を、飾っていたなぁ。

 

いつから、飾る習慣がなくなったのだろう、と思う。 

 

 

さらに言うと、見学させて頂く時に、お家の方から説明をして頂く、というコミュニケーションがある事、あと、見学で歩き回るに際し、町の大きさがちょうどよくて、疲れきらないあたりも、心地よい。

 

 

村上は、やはり、わざわざでも、行ってみる価値のある町だなぁ、と思うのである。