沖縄に何度か通ううちに、現地の友人ができた。

 

彼らと話していると、彼らの悩みが、結構八方塞がりな、行き詰まった重い内容である事が多い。

 

 

例えば、職場の人間関係で、不正がありそうだけれどどうにもならないとか、家族が精神的な病を抱えて身動きが取れないとか。

 

皆、島から出る事ができずに、一定の世界の中で苦しんでいる。

 

 

彼らは、島から出て、内地へ行った事もあるが、適応しきれなかったのか、島へ戻ってきた人たちだ。

 

苦しくても、やはり沖縄を離れない、と言う。

 

 

沖縄は、海の囲まれていて、逃げるに逃げられない土地だ。

 

飛行機のなかった昔は、より、「逃げられない」 感が強かっただろう。

 

 

そんな島に生きていく上で、彼らは、与えられた状況の中で、苦しみと共存してきた。

 

彼らが、「なんくるないさ(何とかなるさ)」と言うのは、そんな生活環境から出てきた、生きていく為の知恵だろう。

 

 

我々ナイチャーは、沖縄を、南の楽園のようなイメージを持って訪れる。

 

しかし、島に住む人たちは、島内で、逃れられない苦しみと共に、生きている。