1月4日
20xx年。アジアの片隅に老人大国がありました。人口約7000万人のその国民の平均年齢は60歳あまり。
同じ頃アフリカの国々やアジアの多くの国では平均年齢20歳台ほどというのに、その国では右も左もお年寄りだらけ。40歳から50歳にかけては若者と呼ばれているほどでした。
人々はほんの二・三十年前には老後には年金をもらいながら、のんびりと暮らせるものと思っていましたが、 70歳を過ぎても会社勤めや肉体労働をしないと生活できないありさまでした。
80歳から90歳を過ぎた多くの老人の暮らしを支えていくために、若者は給料の半分近くもの「年金負担」や税金を取られていました。実際、二人に一人くらいの割合で65歳以上という人口構成になっていましたので、増え続ける老人対策費や医療費の負担は若者の肩にずっしりとのしかかっていました。
結婚して子どもを二人、三人と持つことなど夢のまた夢でした。夫婦で一人の子供を育てていくのがやっとというありさまでした。
本来、子どもや若者がふえて人口が増加していく時、社会には活力がみなぎってくるはずですが、この国ではあべこべで子どもの数がどんどん減り、医療技術の進歩で老人の寿命はますます延びていっていたのです。
こんないびつな人口構成のほかに、この国はもう一つどうしょうもない大変な問題をかかえていました。
それは政府が国民の人気取りのために、何十年にもわたって続けてきた国家予算のばらまきの結果できた借金の山でした。もともと長い将来や子孫のためを考えた健全な国家運営をしなければならなかったのに、選挙の時の1票ほしさに、あっちにもこっちにもいい顔をして、予算をばらまいてきたのです。
そのつけが、今では2000兆円あまりにものぼる国家の借金の山になり、政府はその利払いだけでヒイヒイ言ってるありさまで、教育・社会福祉・建設・国防費などなどにまわせるお金は非常に少なくなっていました。
こんな国の有様に、若者の多くは「冗談じゃあない!もうやってられない」と怒り、海外に移住していきました。
その結果、町や村にはますます多くの老人があふれ、まるで「姥捨て山」のようになっていたのです。
「孤独死」や「無縁死」はごく当たり前のことで、マスコミにもニュース価値がないということで、ほとんど報道されない有様でした。
かってこの国の人々のマジメさや勤勉さそして優秀な技術力に惚れこんで、「どうですか?うちの国と合併して、一つの州になりませんか?」と国の乗っ取りをたくらんでいた近所の大国ですら「これはもうダメだ!」とサジを投げて、侵略の意思はもうすっかりなくしていました。
いったい、この国はどうなっていくだろうと心配に成り、おちおち寝ていられないなというところで目が覚めた次第です。
こんなクラーイ初夢を見ましたが、皆さんは景気のいい、楽しい夢を見ましたでしょうか?
まさか、こんなことにはならないでしょうが、少しでもいい年になってほしいと思っています。本年もよろしくお願いします。