「月見そば」はポピュラーなメニューですが、その歴史や食べ方には様々な説があり、奥深いものがあります。
外国人の方々で生卵を食べる方が少ないため、日本食の中ではハードルの高いメニューと言えるでしょう。最近の外国人の方々の日本食文化に対する興味はとても強いものがあるため、日本人以上に詳しい方々がいて逆に勉強になっています。
月見そばを注文して、それを食べずに見て楽しんでいる米国人の方がいました。その後、生卵を取り出してしまい、結局、「かけそば」を食べた方がいます。これは、「月見の情景」を楽しむために注文し、その卵の白身の色の変化をムービーで撮影した後、生卵を取り出していました。
「月見そば」について、インターネット上で調べてみたのですが、様々な情報が錯綜し、私自身も疑問に思ったため、実際のそば店で取材をしてみました(^_^)
そば店A(市中のそば店)
「月見そば」は月見の情景を表したもので、闇夜を表現する「のり」を入れるのが正しい。卵はその情景を楽しんだ後、崩すのがよい食べ方である。
そば店B(市中のそば店)
「月見そば」は月見の情景を表したもので、闇夜を表現するのは「そばつゆ」であり、「のり」を入れなくてもよい。卵は情景を鑑賞した後、沈めて食べるのがおすすめ。
そば店C(老舗そば店)
「月見そば」は本来のそばの味を味わってもらうのには適切ではないので提供していない。平安時代に起源があり、白身の変色はおぼろ月夜を表している。
そば店D(老舗そば店)
「そば」を味わってもらうための店なので、「月見そば」は提供していない。江戸時代に起源があり、観賞用であったと理解している。そば椀の中で「お月見」を楽しむ意味があったようである。
実に奥が深い食べ物のようですね。