フジミの1/100金閣を使用した、インテリア仕様の模型です。

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フジミの建築モデルシリーズ（現・建物シリーズ）は、その造形において他に例を見ない精密さを誇ります。金閣は1/150とこの1/100の２種類が出ていますが、この1/100のキットは、実測図面を忠実に立体化したものらしく、異色の完成度を誇ります。プラスチック製であることが細かな表現を可能にしており、軒のシャープさなどは木製模型を凌駕します。

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一階法水院は部屋の仕切り、須弥壇、二階への階段など、内部も再現されています。足利義満像などもがんばって作ればよかったかな、とあとから思うほどです。

今回の目的は、プラモデルであるこの製品の魅力を最大限に生かして、建築模型としての品格を引き出すことでした。

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ですから周囲はごちゃごちゃとジオラマにせず、最低限の表現でとどめました。

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ベース表面をステンレス板にすることで鏡湖池にうつる鏡像の金閣を、よりシャープに楽しめます。

以前もご紹介しましたが、現代アートの作家さんの一人である、岩崎貴宏さんの代表作群に、「リフレクションモデル」というシリーズがあります。

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水面に映った建物の鏡像に着想を得たものですが、なんともいえない不思議な空間を生み出しています。（解説はこちら）

日本の庭園の源流のひとつに、平安期の浄土庭園があります。平等院などはその代表ですが、他にも浄瑠璃寺や平泉の毛越寺、無量光院などがあります。これらの特徴は建物を池泉が取り囲んでいることで、水に映った虚像の中に重要な意味を見出したものです。例えば浄瑠璃寺は、堂内に並ぶ九体の阿弥陀如来像の顔が、反対岸から見ると全て隠れて見えないのですが、池に映った堂の鏡像では全て見えるようにできています。

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金閣を囲む池は「鏡湖池」と名づけられており、池に映る金閣の姿は設計当初から意識されていたのでしょう。

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完成度の高いキットなので、二階広縁の天井画も再現しました。三層目に見える扁額には「究竟頂」の文字。後小松天皇の宸筆です。独特の書体なので、本物の写真を縮小して張り込みました。

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漱清の拡大。獅子口は漆喰部分と瓦の綾筋や経の巻の部分を塗り分けました。

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二階、三階の回り縁の板は黒漆塗りなので、それも再現しています。

石組みはモールドを彫り直して塗装しました。キット本来のベースからウォーターラインで建物を切り取っています。この作業が大変でした。

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飾ってみたところ。プラモデルがちゃんとインテリアになりました。

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プラモデルの建築物は、下手をするとお土産の置物のように、建物の品位や格調が失われてしまう場合があるのですが、フジミの建築モデルシリーズは、その建物の品格を見事に再現したものが多くあります。

今回このシリーズは、興福寺五重塔に続き二作目ですが、今後も陽明門や石山寺、姫路城など、作っていく予定です。

フジミ金閣インテリア仕様