ヒヤッとしました。発見。 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

熊本城の記事はもう終わりと思っていましたが、今日、何気なく写真集を眺めていたところ…

宇土櫓の続櫓、二階櫓部分ですが、何かおかしいと思われませんか…?
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私はギョッとしてしまいました。

プロポーションが全く違うし、二階の南側の窓の形も私が模型にしたものとは全然違います。

そんなはずはない!と思いながら近影の写真を見てみると…
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うん、これこれ。ちなみに模型。
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(二階部分、模型の方が垂木が一本多いのは、手に入るプラ材がほんのわずかだけ細いため、実物と同じ数にすると、スカスカになってしまうからです。密度感を同じ印象にするため、嘘をついている部分です)

もう一度並べてみます。
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階高、軒の出、屋根の角度、全く違う建物と言っていいほどの違いです。
いつの間に姿が変わっていたのか…

古写真を見てみると
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被災前の状態と同じですね。

一瞬、図面の読み違いか確認ミスで間違った模型にしていたかと思い、ヒヤッとしました。

調べてみると、続櫓は平成元年に解体修理が行われているので、その時に元の形に戻したのでしょう。

最初の写真は昭和62年に発行された『フォトレポート 熊本城』掲載のもの。
小さい頃にお土産に城内で買ったものです。
この写真集はもう売ってないと思います。
とにかく掲載されている写真がきれいで、お気に入りの一冊です。
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熊本城の天守はやはりこの北側からの姿が堂々としていて、一番きれいだと思います。
(上の写真に写っている土塀は、きちんとした復元のため近年撤去されています)


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もちろん本丸御殿も飯田丸五階櫓も、西出丸の櫓や塀も無い頃です。
しかしこの薄い写真集は、幼い頃に見た、懐かしい熊本城の空気をそのままに思い出させてくれます。
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私の中の熊本城の原風景が詰まった一冊です。
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実際に模型にしたからこそ発見できた建物の変遷でした。