「お金」の視点から世の中を知ると、お金を無から生み出している存在、つまり国際銀行家が強い影響力を持って社会が作られていることが分かりました。

 

 その影響力を盤石にするために彼らが支配しているのがマスコミ(mass communication=大衆伝達)です。インターネットの普及によりテレビや新聞などマスコミの情報を鵜呑みにする人が減っていたと私は思っていたのですが、新型コロナウィルス関連の報道やそれに対する人々の反応を見ると、まだまだマスコミの影響力は強いのだと認識が変わりました。

 

 

 今回からはそんなマスコミの歴史と仕組みについて解説していきたいと思います。

 

 マスコミと言うと大手新聞社やテレビ局をイメージしてしまいますが、扱うニュースの大元には「通信社」の存在があります。

 

 通信社はニュースの卸問屋と言われ、通信社が収集、配信したニュースを新聞社やテレビ局が受け取り、それを新聞やテレビのニュース番組として一般視聴者に発信します。

 

 通信社が一般市民に直接ニュースを送り届けることはありませんが、私たちがニュース等の隅で見かける(共同通信)、(ロイター通信)、(AP通信)等がマスコミの根幹を握っている通信社です。

 

 

通信社の始まり

 

 通信社の歴史は実はまだ浅く、始まりは19世紀のヨーロッパでした。

 

 情報収集によって世界情勢や相手国の情報を掴み、攻略の計画を立てる。また情報発信によって相手をだましたり、撹乱したりして自分に有利な状況を作る。武力や資本力以上に大切な情報力に目を付けたのが国際銀行家たちでした。

 

 「情報」という言葉には、事実や知識、連絡といったイメージを抱きがちですが、その情報を生業としている通信社の成り立ちを知れば、情報の本質とは双方向のコミュニケーションではなく、相手を攻略するための一方的な手段であることが分かってきます。

 

 それでは通信社の歴史を見ていきましょう。始まりは19世紀のヨーロッパです。

 

 当時ヨーロッパの文化の中心はフランス、パリで、ヨーロッパ各国の新聞記事をフランス語に訳して販売する業者が次々生まれていました。

 

 それが通信社のはしりです。そのパリで1832年、ロスチャイルド一族に雇われたハンガリー系ユダヤ人のシャルル=ルイ・アヴァスが事務所を開設します。

 

 アヴァスはパリの翻訳通信社2社を買収した後、1835年に近代通信社の先駆けとなるアヴァス通信社を立ち上げました。

 

 アヴァスは、当時のヨーロッパで既に金融支配を確立していたロスチャイルド一族の指示に従いながら、表向きは公平な通信社を装い、一般のニュースや金融情報を流していました。

 

 当時のフランス政府は腕木通信という、数メートルの3本の棒をロープで動かし、手旗信号のように遠方の基地に情報を伝達していました。

 

 アヴァスはこの腕木通信の動きを望遠鏡で盗みてロスチャイルド一族に速報を流し、その後でパリ中の新聞社に配信して事業を発展させていきました。

 

 通信の暗号を解く知識は政府内部にいるロスチャイルド一族の配下の人間から入手していたと思われます。

 

 当初、情報の伝達には早馬を使っていたアヴァスでしたが、1840年からは馬車や飛脚より早い伝書鳩便を使い、さらなる商業的成功を収めていきました。

 

 その結果パリ中の新聞はアヴァスの流すニュースで埋め尽くされていきました。

 

 ちなみに通信社が存在する以前のヨーロッパでは、馬車による郵便が情報伝達の手段でした。

 

 初代ロスチャイルドのマイヤーはドイツの郵便事業を独占していたタクシス家に大金を渡し、情報の先読みを既にしていました。

 

 その方法は他人の手紙を湯気の上にかざして糊をはがし、中身を読んでまた糊付けして戻してから証券取引所に行くというものでした。アヴァス通信社はこれの進化系と言えます。

 

参考:THINKER署「マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている」徳間書店(2011)