亜熱帯から熱帯の
海水と淡水の混ざりあう気水域に群生する植物が、
マングローブと呼ばれています。
マングローブは島の周辺に広がり、
浸食を防ぐと共に、多くの生き物の棲みかになっています。
私はマレーシアのランカウイ島、インドネシアのバリ島、
台湾の淡水川、石垣島等のマングローブ林を観察したことが有ります。
そして、全てのマングローブ林の水面に
マングローブの枯葉が漂っていることを
不思議に思っていました。
常緑樹に、落葉の季節があるはずがないのに
この枯れ葉は何だろう?と思い、
マングローブの植物生理を調べた結果、
命を守る切ない仕組みであることを知りました。
本来、陸上の植物は
海中植物が徐々に陸上に上がったもので、
塩分の浸透圧に耐えられなくなりました。
マングローブは
どんな理由が有るのかわかりませんが、
逆に、陸から海に戻ろうとしています。
本来、塩分に対する耐性はありませんが、
吸い上げる水は薄い塩水で
植物体内に塩分が蓄積して枯れてしまいます。
枯れ葉はそれを防ぐ重要な仕組みなのです。
つまり、吸い上げた塩分は特定の葉っぱに集められ、
その葉っぱが枯れて落ちて行くのです。
一部の葉っぱの犠牲の元に、
マングローブの樹の命が守られているのです。
どのようなローテーションで
落ちてゆく葉っぱの順番が決まっているのかわかりませんが、
粛々と運命に従って犠牲になって
水面に漂っているマングローブの枯葉を見る度に、
切ない思いに駈られます。
我々人間社会でも、過去において似たような現象もありました。
生命を懸けるような自己犠牲については、
賛否両論があると思いますが
精神的自己犠牲は尊いと思います。
現在、世界中の指導者が自己中心的主張に終始して、
ギクシャクしています。
見苦しい限りです。
人間も、地球上の生物の一つです。
もっと謙虚になるべきです。
苦労をしながら生きる場所を開拓し、
陸を守ってくれている植物もあります。
自然は私たちに、多くの大切なことを教えてくれます。
時には、ソーシャルネットワークから離れて
自然に目を向けて感性を養いましょう。
寒いですね。
南の島で心地よい風に当たりたい気分です。
オリジン生化学研究所
前田 浩明














