6月の兼題は「父の日」。
投句総数51句のうち、兼題投句は21句でした。
選句集計は特選句2点、並選句1点で行われました。
観念的ではなく、具体的な物に語らせた句に票が集まりました。
芭蕉は、すべてを言い尽くしてしまっては、なにも残らないという
意味のことを述べていますが、俳句には、鑑賞者に想像させる部分
が必要。
兼題の特選句は、次の句。
・父の日の砂場に残る泥団子(11点)*
よっちん
[特選]
ママから父の日と聞いたのでしょうか。パパが大好きな幼子が作った
泥団子、ほっこりとした一句です。──reiwa99
ドラマがある。詠み手は家族のいない男性か。寂寥感が伺える。──雷太
子どもたちが遊んだ跡の景ですね。
どんな遊びをしたのでしょうか。泥団子は、お父さんにあげるために
作ったものかもしれませんね。
また、現在、父親が不在なのかも、などと色々想像されます。──三太郎
幼い子から父へのもてなしに、嬉しい父親の余韻が感じられます。
──いっけい
・父の日のものやわらかく煮あがりぬ(3点)*
静可愛
[特選]
やわらかく の5文字に、お父様かご主人への優しさがにじみ出ていると思
います。──かげろふ
・父の日やクレヨンで描くパパの顔(2点)*
mjt
[特選]
(多分?)ゆがんだ顔にもクレヨンには温かみがあり、親としては嬉しいだ
ろうネ。これくらいの頃が一番いいね。──いわきり かつじ
・父の日や義歯に易しき牛のフィレ(2点)*
杉尾芭蕉
[特選]
父の日に牛ヒレ。この取り合わせだけなら、取り立てて目を引くことはないか
も知れない。「義歯に易しき」で、お父上の齢も想像できますし、一家団欒の
温かさも感じとれます。
──粋子
次回、7月分の兼題は、「朝顔市」となります。
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