月の記憶 序章①

             大地があった
             草木があった
             小鳥が鳴いていた
             風が吹いていた
             川があった
             海もあった

             夜が来て
             朝が来た

             光があって、
             闇もあった


             そして


             人がいた

          いろんなイキモノがいた

           世界には全てがあった


             だけど、

       一滴の涙が世界を変えた、変えてしまった

         でも…もう泣くのは終わりにしよう
           世界を見よう、記憶しよう



            そう、たとえ
     何千何万個の命が絶えようとも、私は涙は流さない
               
              たとえ
   何千何万の命が消えようとも、私は一つ一つの命を忘れない

             全テヲ記憶スル
              涙ノナイ月

             世界ヲ照ラス
              月ノ、記憶。