渋谷某所―――
「なんか、こん街は、不幸な人がいんね」
ウサギのような生き物が、猿のような生き物に話しかける。
「アンハピアンラキが、おらんからだろ。アイツら、人ば不幸にすっとが、大好きだもんな」
猿のような生き物が、ウサギのような生き物に答える。
「アイツら、人の不幸を喜ぶのも、好きやっどね」と、ウサギのような生き物。
「そうそう。人の不幸ば見て、『楽しか』とか、『面白い』とかって喜んでるもん。人の不幸ば見て喜ぶのが、アイツラの趣味だけん、仕方なかばい。あぎゃんいうとは、ほっとくのが一番さ」と、猿のような生き物。
「ね、ね、何 食べちょる?」
「ソフトクリームは?」
「ソフトクリーム!いいねぇ、食べごつか」
「ところで、お金、持っとる?」
「お金、持ってんが。ゴメン、おごって」
「仕方なかな、おごってやるよ」
「後で、必ず返すかい」
「必ずだぞ」
2人は、屋台へと向かった。