<兄ちゃん。僕の父さんのこと、まだ、恨んでる?>
惑星の声が、銀河の頭の中に響く。
<恨んでないたい。ほんなこつの父親の方か、憎い>
<でも、僕の父さんは、兄ちゃんの父さんを殺しただろ?それでも、恨まないのかい?>
<過ぎたことな、悔やんばってんしゃーなかがらしゃ。そいより惑星、僕か、血の繋かりか無か兄貴やったことば恨んでおらんかい?惑星の母しゃんな、数年前に、死んだそげんたいね。病気やったんばってんね。僕の母しゃんか、惑星の母しゃんになりよったことも、恨んでおらんかい?>
<恨んでないよ。運命だと思って、あきらめたからさ>
<僕も、運命だと思っち、あきらめたよ>
<ねぇ、兄ちゃん。家族って、何かな?血が繋がってるだけが、家族なのかな?>
<そげんじゃなかよ。血か繋かっちいなくたっち、家族は家族ばい>
<僕は、家族というものが、分からなくなってきたよ>
<なして?>
<たとえ、反逆者の子供でも、逆らわれた方の家族になるのかい?いつ、義理の親を裏切ってもおかしくない家族でも、いいのかい?>
<運命ばい、惑星>
<全て、運命だった、で終わらせるのかい?僕は、それは嫌だ>
<しゃーなかよ、惑星>
<運命は、変えられるんだ。でも、兄ちゃんの言うように、仕方の無い時もある>
<惑星、家族っち、なんやろうね?>
<それは―――>
そこで、惑星の通信は途絶えた。
「家族っち・・・なん・・・?」
銀河は、1人そう思うのだった。