知人のお通夜に行く
場所はウチから150km程離れた
N県I市

会場は10畳程の故人宅の居間
棺の周りに車座に座る
お通夜は普通に始まった

15分くらいで最初のお経が終わり
座布団が片付けられ
お棺が座敷の中央に据えられた

参列者全員に長さ1.5mくらいの
半分が黒、残りが白の水引が配られた
端を結び、首に掛け、右手側を抜き
左肩からたすき掛けにするように指示される

親族が棺の周りに集まり
それぞれ何かを象徴していそうな形の
和紙らしきものを遺骸のひざ下、大腿部
腹部、胸部等へ置かれ
白木のT定規みたいな杖
三途の川を渡る際に必要な(だそうだ)
六文銭代わりの何か(よく見えなかった)が
入れられた後

参列者一人一人がお花を足元から棺に入れ
頭部周りは親族が花を入れる
次に参列者には塩煎餅が7,8枚程入ったくらいの
駄菓子屋で売ってそうな紙袋が配られ
足元から順に棺を埋めた
故人があの世へ行くときのお土産や
自身の間食のためらしい

その上に故人にゆかりのものや
一緒に火葬してもらいたいものが入れられた

次に肩に掛けていた水引を引きちぎり
遺骸の足元に入れるよう指示があった
一旦棺は閉じられ部屋の片隅へ安置された

参列者は家の外で手の甲に塩を乗せ
ぬるま湯で流し穢れを落とした

再び座布団が敷かれ
お経の後半が始まった
お坊さんはお色直しなのか
衣装が変わっていた
途中で焼香のための
香炉が手に手に回された

その後「お振る舞い」という
食事会が始まった
喪主は粗宴ですがと言ったが
粗宴には程遠い豪華な内容だった

子供の頃葬儀に出た後
家に入る前に穢れを落とすため
塩をかけられ
節分の鬼の気持ちが
分かったような気がした

久しく感じなかった
死=穢れという前提の儀式だった
会葬者に渡されたものの中には
お清めの塩があった
最近は葬儀場の出口に
置いてあるのは見かけるが
会葬御礼に入っているのは久しぶり

穢れが前提の葬儀は違和感があった

違和感は他にもあった