その2:ステージは、時間軸 | Oriento's Online Club

その2:ステージは、時間軸

 ステージは、時間軸。

 1990年を境に、経済活動のステージが、空間軸から時間軸に変わった。
 経済活動の基本は、2者の間の価格差(マージン)を取引によって受け取ることだが、1990年以前には、国家間(工業国/原材料生産国)、地域間(工業地帯/都市部/農村)に存在す価格差を「物流」によって、利益に変えることだった。
 
 現在、情報と物流の移動速度が早くなるにつれ、相対的に地球の地理サイズは、小さくなってきた。 移動速度が早くなるにつれ、空間軸に依存した価格差よりも、時間軸にに依存した価格差の価値が高くなった。 時間軸方向の価格差を取引することは、時には「虚業」「バブル」と言われたが、一方では、「在庫の削減」「棚卸し資産の削減」とも言われる。 いずれにしろ、この分野での利益の向上こそが、企業活動のフロンティアとなった。

 数分/数時間/数日の間の価格差が利益の源泉であり、企業活動は時間方向に存在するリスク(不確実さ)を如何に減らし、如何に最大化するかに追われている。 過去と未来の関係には、後進国と先進国、既知の事実と未知の将来の関係がある。 
 時間方向に存在する価格差の取引の最もプリミテイブな形態は、株式・資源・通貨(為替)・権利に関する金融取引である。 数分で変動する価格の行方を予想できれば、過去と未来の間の取引が成立し、取引を仲介した者には利益が生ずる。 つまり、未来に対する情報を正しく持つ者、未来を望む方向に誘導できる者が、利益を持つ。
  
 更に、時間軸方向の価格差の取引は、実取引では無く、物流を伴わない権利の取引であるために、取引金額を実需要以上に大きくすることができる点が重要である。 「掛け金」を大きくできる。 現実の利益は、実需要の数倍から数十倍の規模で行われるために、実は、非常にリスクも大きい。 「情報」に価値が生ずる理由がここにある。(欧州/日本と北米の経済成長率の根本的な差はここに起因するのかもしれない。)

 この変化は、工業社会の変化としては(恐らくは)必然性がある。 本質的(根源的)でもある。 過去に起こった「進化」に対して、別の「進化」があり得たかどうか不明である。 いずれにしろ、そのような「進化」が起こったのは事実であり、既に歴史でしかない。 遺伝子は既に変わってしまったのである。 虚業の繁栄に対して、感覚的に拒絶反応を持つ人達も、セピア色のアナクロニズム(懐古趣味)を楽しむ権利を有するかもしれないが、歴史を反転させる力は持ち得ない。
 全ての人は、この新しい遺伝子の引き起こす社会の中に住んでいる前提で時を過ごしてゆくしかないのである。

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