少し真面目な話をしますけど、自分の中でもまとまってません。
福島原発の事故から12年以上経ち、その間にたまった冷却水、つまり放射能物質に汚染された水の海洋放出が始まりました。
当初、汚染水と呼ばれていたこの水は、放射能物質を除去した処理水と呼称を変え、国際基準以下の数値になっている事が保証されての海洋放出です。
ただ、この処理水の放出はちょっとずつ行い、今後30年間も放出を続ける予定となっています。
で、この処理水なのですが、トリチウムという放射性物質が話題になってます。
この物質が処理できずに処理水の中に含まれている事が指摘されてます。
実際、他の放射性物質が全て除去されている訳ではなく、処理水の中には含まれているものの、数値は公開されてませんが問題ない値と曖昧な言い回しになってますが、今回はトリチウム以外の物資には触れません。
トリチウムが含まれている処理水ですが、海洋放出にあたっては基準値以下に薄めて放出するから問題なしと言われてます。
確かに基準値以下なら問題ないと多くの人は思うでしょう。
一方、それではダメと言ってる人たちの言い分は何かと言うと、そもそも基準値ってのは暫定的に決めた数値であって、そこの根拠は実はそこまで信用できるのか?あと、いくら基準値以下と言っても、放射性物質が含まれている水を放出すればその物質はあるって事でしょうって言う言い分です。
まず、基準値についてですが、これははっきり言って根拠が正確ではないと経験則から言えます。
これまでも発がん性物質や、身近では排ガス規定などは、時代が進むにつれ、どんどん厳しくなってるし、これまで安全とされてきたものが、ある日突然、人体に影響があるとか、環境汚染になると言って、規制されてきた過去が山ほどあります。
なので、基準値以下だから大丈夫ってのは、今の時点ではそうだけど、未来においては全く保証できる値ではないと言うことになります。
しかし、今現在で未来の技術の進歩などを予測するのは不可能なので、これについては仕方がないって事になるかなあと自分は思います。
もう1つ。
薄めると言っても、もともとない放射能物質を海洋放出する事は、結局、放射能物質はどんどん蓄積されるのではないか?と言う疑問です。
これは的を得ていると自分は思っていて、ちょっと難しい?話になりますが、地球に存在する物質の総量は増えたり減ったりせず、何らかの形で同じ量が存在するって理論。
原子レベルで繋がって新しい物質ができたとしても、地球全体でみれば総量は変わらないって考え方。
しかし、物質には固体、液体、気体の大きく3つの状態が存在していて、質量は変わらなくても固体と気体では環境に大きく変化を与えます。
一番考えやすいのがCO2です。
気体として大気に放出されてオゾン層破壊とか地球環境に大きな影響を与えていますが、気体ではなく固体で石炭とか原油とか、その他固体で地底に奥深く埋まっていれば環境に影響を与える事はほぼないと言って良いでしょう。
放射能物質も同様で、固体で何かとくっついて安定な状態で地底深く埋まっていれば、ほぼ環境に影響はないですが、これが液体や気体、または粉々になった状態で地上に存在すれば、何らかの影響はあるでしょう。
そして、今の基準って言うのは、この程度なら人体には大きな影響はないって事が科学的ではなく、どちらかと言うと実験的にわかっている事がほとんどで、理論は後付けされている事が多いのです。
では、薄めているからOKと本当になるのでしょうか?
薄まっている状態で安定していれば数値としてはそれ以上になる事はありません。
しかし、絶対値でみると、そこにはなかった放射能物質がずっと放出されているので、量としては確実に増えているって事になります。
わかりますかね?
何かと反応してなくなるって事はないので、基準値以下ですけどずっと増え続けていくのです。
海は広いし、今回30年に渡って放出する量ってのは、海全体の水の量からしたら微々たる量なので、海流にのって全世界の水と混ざるとほぼ影響はないでしょう。
しかし、これを海洋ゴミ(プラスチックゴミ)に置き換えて考えると、海にゴミを捨てても大きな影響はないとして、特に発展途上国では海洋投棄がされてたのですが、今になって大きな問題になってます。
嘘か本当かわからないですが、日本で使用するレジ袋を規制しなければならないほどプラスチックゴミが海流に紛れて、全世界の海に散らばりました。
レジ袋のプラスチックを気にするほど、海は汚染されたのです。
この事から考えると、実は何十年も放射能物質を海洋放出する事が何も影響ないと言えないのではないか?
海洋ゴミ同様、ある日突然大きな問題になる可能性はないのか?って事ですよね。
ゴミの海洋投棄は当時は合法でした。
トリチウムの海洋放出も今は合法です。
共通点は多くあります。
韓国も中国も欧州も原発の処理水は海洋放出しています。これは合法だからです。
結論としては、今はわからない。
結果は何十年も先にならないとわからないって事です。
それが現実でしょう。
それよりも大きな問題は、廃炉に向けてと言ってるけど、実際、原料は取り出せてなく、今もずっと冷却して汚染水が溜まり続けているって事。
つまり、政府は30年で放出を終わろうとしているが、原料を安全に取り出す技術が今もなくて、12年前と同じ事をずっと続けています。
処理水を放出しても新たな汚染水が日々増えている状況なんですよね。
たぶん、このままだと30年経っても何も変わらない。
結局、廃炉はできず、コンクリート等で埋めて、人が近づけない立入禁止区域ができるだけのような気がします。
最悪なのは、コンクリートで埋める事もできず、ずっと原料を冷やし続けて、処理水にして海外放出を続ける事。
ここにどれだけのコストがかかるのか?
誰がやるのか?
そういった事がこれからの問題になりますね。
風評被害と言ってる間はいいけど、実被害がでない事を祈るばかりです。