最近の食べログより。【静岡/清水・のっけ家】 | 京夏終空の「続・生きるってコトは、食べるコトだ!」

京夏終空の「続・生きるってコトは、食べるコトだ!」

食べログ【京夏終空の脱グルメ考】生きるってコトは食べるコトだ!

のっけ家 清水店 (丼もの(その他)、魚介料理・海鮮料理、寿司 / 清水、新清水、入江岡)


静岡・清水港、河岸の市の「のっけ家」。~東海道ぶらり旅。


2016/01/04 (2015/12 訪問)
昼の点数:4.14.1[ 料理・味 4.1 | サービス 3.9 | 雰囲気 3.6 | CP 4.6 | 酒・ドリンク - ]
使った金額(1人): 夜-昼¥1,000~¥1,999



絶品「本鮪はみ出し丼」に舌鼓。

♪清水みなとの名物は~…。

この平成の時代にこそ、ぜひ欲しい人物。清水次郎長。
暴対法や排除条例やら数々の法律で仁侠の世界を封じ込めてしまった現代社会。ヤクザな生き方がイイとは言わない。また、不良が改心して社会貢献したからと言って、そのギャップ分までを評価する気は無い。しかし、過剰なまでの封じ込めは、義理や人情を疎かにし、日々金儲けに邁進する頭でっかちの臆病者が怖かったから法律で封じ込めてしまったとしか思えない。
そんなヤツラは、違法でなければ、人を欺き、ウソを平気でつき、金儲けと自己の保身をもっぱら考え、卑劣な行いを平気でする。ネットの匿名性をいいことに、書きたい放題。他人を陥れるコトがそんなに楽しいのか?徒党を組んで、欺く。情けない。
僕も匿名で書いているウチだが、意見があったらメッセージをしてほしい。いつでも、出てゆくから。

合法の範囲内だからと言って、何でもしていいわけではないだろう。
道徳心やマナーは、どうした?


この清水の港を語る際に、次郎長は欠かせない。

♪お茶の香りと男伊達  見たか聞いたか あの啖呵~

そうなのである。魚よりもまず、お茶の香りなのである。この店のある市場の中にもお茶を売る店が出店していて飲ませていただいた。
そのカップを持ち、喫煙所で港を眺めながら一服する。タバコの香り、お茶の香り、港の潮の香りが一体となって、何ともイイ体験をした。食品でなく、気体に対してこれほどウマいと思ったコトも少ない。

この店は、市場の中にある。ぐるりと見てまわり、この店の前で足を止めた。店頭の「本鮪大とろ頭肉丼」の写真に見惚れていた。どれくらいの時間眺めていたのだろう?店員さんが出てきて、どうぞと促された。

僕がソレを注文すると、店員さんから提案がなされた。恥ずかしながら、ホントに真剣に見入ってたのだと思う。ソレを察知した店員さんが、今日は、こっちの方が特に美味しいと、こっそり教えてくれた。

本鮪はみ出し丼」(¥1,620) ―― ともに数量限定ではあったが、その日は、この本鮪の部位が、中落ちだと言う。ソレも、その部位の身を取り出すだけの仕込に1時間以上もかけたのだと言う。たかがメニューに食い入って見ていただけで、拾いモノをした感覚が嬉しい。
来た。確かに身が大きく丼ぶりからはみ出している。中落ちの部位で、これだけ大きな切り身がとれるという事実にも驚かされる。
切り身だけをまず食べる。コレを使ってと言われた特選醤油と万城のわさびが合う。何だろう、ウマすぎる。簡単に口の中でとろけるような旨みと甘みなどとは書きたくない。次元の違いというのだろうか、かなりウマい。築地でも銀座でも、コレだけのモノにはなかなかお目にかかれない。もしコレを出されたとしたら、築地で4千円、銀座では6千円ぐらいするだろう。
こういう質的なウマさは、喩えるコトが上手くできない。ただ、ただ、ウマいとしか言いようが無い。
海老のみそ汁が付いた気がするし、切り身に合わせられていた海苔も良かったと思う。しかし、そのモノ自体がウマすぎて、他のモノに関しては一時的・部分的な記憶喪失だった感じである。
ごちそうさまでした。大満足でした。


この店では、大将が仕事をする真正面のカウンターに座っていた。
食べ終わると、大将から「お味の方はどうでしたか?」と聞かれた。それはそうだろう、1時間かけて骨と血合の隙間から取り出したという身。ものの10分足らずで食べ切ってしまった。
僕が「この上なく、美味しかったです。」と率直な感想を述べると、大将も満足そうに話し始めた。いろいろなお話をうかがったが、結論的に要約すれば、この丼ぶりは、この値段では白旗を上げるというコトだった。

あんた、やけに真剣に見てくれていたから…、とびきりのヤツ出したよ、と言わんばかりの満足そうな日に焼けた大将の笑顔に見送られ店を出た。

市場の外に出ると、また、清水みなとの、潮の香りがした。


東海道五十三次の「興津」から「江尻」の間。駿河国有度郡。江戸よりおよそ41里半、京へ83里20丁。
この清水の街から、次郎長は旅立った。

この店の大将のコトがフト頭をよぎる。

利益を度外視してまで僕を楽しませようとしてくれた。
ありがとう。

そして、…男伊達。

啖呵をきられたのかも知れない。

いや、きっとこんな啖呵の切り方もある。


(文責:京夏終空、2016.1.4)




★★★ この記事に興味をお持ちの方は、

京夏終空の食べログページへ ⇒ http://tabelog.com/rvwr/001653188/