6人乗れない車もある。どうもorhgです。

 

みなさんは兄弟っていますか?

YO, ブラザーってのとは違います。

 

僕には数年に一度しか会わない兄がいます。

仲が悪いわけではありません。

他県に住んでいるので、単純に物理的距離が離れていて帰ってくる回数が少ないからです。

 

数年前に会った時に

「もう地元に帰る気はないから、両親よろしく」的なことを言われました。

 

うーん、そうなるよね。

何となく察してましたよ・・・と。

 

これだけ聞くと無責任に聞こえますが、なにも無理やり僕に押し付けているわけではありません。

 

ちなみに兄は結構優しい人です。

僕なんかは実家に連絡するのは用事がある時だけですが、彼は週に2~3回電話してます。


また、父の日・母の日・誕生日など、両親だけでなく、僕や僕の子供たちにもプレゼントを送ってくれたりします。

 

他にも僕が金融機関を辞めて専門学校に入学するときは、入学金と在学期間中(3年間)の学費が足りなかったので、不足分に関して親のスネをかじりました。いわゆる親ローン。

返せるかどうかも分からない、出世するかもしれないし、しないかもしれない出世払いです。

 

親のスネをかじるってことは、ひょっとしたら相続することになるかもしれない親の財産を目減りさせる可能性があるってことです。

なので、事前に兄にも相談しました。

 

すると彼は

「金のことは気にしなくていい。自分は親の近くにいないので現実的に将来お前に負担が掛かるだろうから、家も金も必要ない。気にするな」

 

というのです。

 

 

なんという優しさ!

 

 

そして、

 

 

なんという交渉上手!

 

 

僕を応援しつつ、親の面倒を看るというバトンをサラッと僕に渡してくるのです。

 

 

あのヤロー

 

 

やるぅぅぅ。

 

 

ちなみに彼は地域で一番難易度の高い公立高校に入り、校内成績は1番か2番。

塾に行くこともなく現役で国立大医学部に入り、当たり前のように医師国家資格を取得した上、博士号までも取得。


国立系の医療施設に勤務したのち某大学病院で准教授をやっているという、ステータスを頭脳に全振りしたようなチート級お兄ちゃんです。

 

彼が家で勉強をしているのを見たことが無かったので、兄に倣って勉強をせずにいたら成績がえらいことになってしまいました。


随分手遅れになった頃に兄が異常に勉強が出来ることに気が付いて、どうしたら勉強に困らないのか?テストでそれなりの点が取れるのか?を聞いたことがあります。

 

すると、彼の答えはこうでした↓

 

「全部教科書に書いてあるし、大事なトコロは授業でやるじゃん」

 

これ真顔で言うんですよ?

彼に聞いたのが間違いでした。

 

でもまぁ僕は兄を尊敬しているので、兄の優秀さと優しさはちょっぴりプチ自慢。

 

今でも彼は旅先から、僕の家にご当地銘菓などを送ってくれます。

お兄ちゃんありがとう。

 

さて、そんな兄とのやり取りの経緯もあって、僕の中では親の面倒を看ないといけないと考えるようになりました。


その両親も80歳を越え、ラスボスのように威厳を振りまいていた父も弱体化しています。

 

特に車の運転は大問題。

 

僕は実家から車で15分くらいのところに住んでいるのですが、僕たちの町は坂道が多く、移動距離はさほどでもありませんが、車が無ければ生活できません。

 

しかし、弱体化したラスボスでは車の運転はそろそろ限界。

そこでラスボスに免許返納を進言するも、あえなく却下されました。

 

弱体化したといっても流石はラスボス。

そうやすやすと免許は返納してくれません。

 

うん、わかってた。

 

こういったことは時間をかけて納得してもらわないとね。

限界と書きましたが、実際あと数年は大丈夫そうです。

この間にゆっくりと説得します。

 

時間をかけた説得と同時進行・・・いや、それより前から進めていたのが車購入計画です。

 

親が車を手放したら、買い物や病院に連れて行くのは僕の役目となります。

僕ら家族4人と、両親2人。

計6人乗れる車を買う必要があると考えていました。

 

少しずつお金を貯め、中古車くらいなら買えるかな?というくらいになったので、奥さんに車購入の意思を確認したときのことです。

 

「ん。まだお義父さん元気そうだから、もう少し先でもいいんじゃない?今回は好きな車買えば?」

 

 

あざーーーーす。

 

 

僕の車は走行距離こそ9万キロですが、誕生から20年オーバーの軽自動車。

去年からエアコンが効かないばかりか、最近では車のクリア塗装が剥げてきていて見た目も決して綺麗ではありません。

いわゆるボロボロです。

 

車に興味のない僕でも、そろそろ買い替えを考えていました。

 

そんな僕にこのお言葉。

 

 

えーっ!

 

 

好きな車買ってもいいの(´∀`*)ウフフ

 

 

ありがとー

 

 

という事で買ってきた車がコチラ↓

 

 
 
 

Fender Custom Shop MBS 1960 Telecaster Custom 

Journeyman Relic by Todd Krause

 

はい、どうですか?


フェンダーカスタムショップの最高峰。マスタービルドのテレキャスターです。

シニアマスタービルダーのトッドクラウス製作の「車」です。

 

この車はタイヤもなければ屋根もない。

エンジンも付いていませんし、誰一人として乗れません。

 

しかし、僕だけはノれるのです。

 

 

そう

 

 

音楽に!

 

 

ノリノリです。

 

リズムにノれたら、もう車です。

 

この車で車酔いはしませんが、自分には酔えます。

 

どうみても車。

 

ではこの車について説明します。

 

まずは細部の画像。

 

ネックはお馴染みのマテリアル。

メイプルネックにローズウッド指板のスラブ貼り。

 


 レリックではネック裏の塗装が剥がれた状態を表現するとき、結構境目がハッキリしているものが多いですが、こいつはグラデーションになっていてわざとらしさが少なく、自然に感じます。

気取りは柾目だそうです。
僕は画像でネックの中心から右側に見えるガリガリとした部分を、良い木取りかどうかの基準にしています。

 

グリップは60スタイルのOval”C”

指板のラディアスは9.5
 

 

ボディは定番のアルダー。

 オペイクカラー(塗り潰し)は見た目では分からんっす。


 

 

テレキャスターカスタムなので、バインディングが巻いてあります。

 

 

ピックアップはホセフィーナカンポスさんが作ったピックアップだそうです。

 画像で見たってなんのこっちゃって話ですよ。


 

どうですか?

なかなか良い線いってると思いませんか?

 

ではここから僕の感想です↓

 

はい。僕はレリックが苦手です。

身も蓋もありません。

 

 

他の人が好んで使うことに関しては全く問題ありません。

否定する気もありません。

むしろカッコいいですね・・・と心から思えます。

 

しかし、自分が所有するとなると完全に否定派でした。

 

楽器が自分とともに齢を重ねて、「経年」と「弾き込む」ことで成熟していく。

この一連のプロセスに誰もが憧れを抱くと思います。

 

変化していくサウンドはもちろん、その過程で付いた傷や剥がれた塗装こそが美しいと思うからです。

 

例えるならこうです↓

 

『星の王子様』はご存じですか?

 

王子が旅に出て、色々な経験から「大切なものは目には見えない」という事を学ぶ・・・といったストーリーです。

子供向けの本のようですが、大人こそ読むべき本かも知れません。

 

そこにこんな一節があります↓

 

「きみが薔薇のために費やした時間の分だけ、薔薇はきみにとって大事なんだ」

 

 

素敵やん♡

 

 

僕って結構詩人なんですよね。

 

つまり僕が薔薇(ギター)に費やした時間が無いのに、見せかけの時間(愛情)を金で買ったような気がして嫌なのです。

 

もしこれが本物のビンテージや中古なら問題ありません。

 

僕ではない誰かが君のために時間を費やして、そして、君が生まれてから色んな歴史があったからこそ、今こうして逢えたんだね・・・(*´Д`)ハァハァ

 

という、一度口に出してしまったら黒歴史確定のハレンチワードですら、まっすぐな瞳で言えると思います。

 

いえ。僕は言います( ー`дー´)キリッ

 

そんなレリックが苦手な僕が、苦手な気持ちを押してまで購入した最大の理由はネックです。

 

個人的に、ソリッド系のギターの場合、ギターの善し悪しはネックで決まると思っています。

そのネックに素材として求められるであろう剛性や木目といった質感は抜群です。

 

 

さらに、上記の要件を満たしたうえで、ネックは握り心地が全てだと思います。

そういった意味で、このギターは良いギターだと思います。

 

面白いことに、これは60年モデルですが、過去にこのブログでも書いた僕のストラトも60年モデルです。

しかし、ストラトが結構薄目のシェイプなのに対して、このテレは割としっかりとした握り心地です。

 

同年代のモデルでも違うものなんですね。

 

フレット処理は少し角ばっていて好きではありませんが、ネックのフィーリングの前では問題になりません。

 

 

 

また、ボディのレリック加工は気に入らないのですが、ヘッドからネックに移行する部分のレリック加工は不覚にもカッコいいと思ってしまいました。

 

 

また塗装が剥げたように加工されている部分はサテン仕上げの感触で、最初こそ違和感がありましたが、慣れれば心地よいです。

 

っとまあ、話がとっ散らかったので、このギターについて思う事を正直に書きます。

 

 

先ず結論。

 

良いギターだけど、軽自動車が新車で買える金額を出してまで買うギターでは無いです。

 

そこそこ鳴ります。

この金額出すんで、当たり前です。

 

テレキャスと聞いてイメージするジャキジャキ・チャキチャキ・カリカリした音は出ません。

フロントはもちろん、リアでも太い音です。

僕のストラトよりも太いと思います。

テレキャスでジャズを弾く方もおられますが、そういったサウンドだと思います。

 

良い音です。

でもこのギターじゃないと出ないという音はありません。

 

他のギターを弾いた後、このギターを弾いて

「コレコレ。やっぱフェンダーの音だよなぁ⤴♡」

と言ってみても、その音はフェンダーUSAで十分出ます。

 

USAでも十分と書きましたが、個人的にはカスタムショップが実質的に最高峰だと思ってはいるのです。

ほんでもってマスタービルドなんてのは付加価値のオマケです。

 

今までそれなりに弾いてきて、国産、USA、カスタムショップにはちゃんと違いがあると感じています。

多くのかたのブログでは好みの問題と括られていますが、そんな毒にも薬にもならない話をしていたら、だれもネットで情報など漁りません。

僕の好きな順番で言うなら

 

①カスタムショップ

②国産

③USA

 

です。

 

でも、今のカスタムショップの値段を見ると、費用対効果は

 

①国産

②USA

③カスタムショップ

 

となります。

 

ここに「④マスタービルダー」を加えると、費用対効果では当然最下位になります。

 

では、この手のモノを買ってよかったなと思うのは、最高を知るという事。

 

色々ギターも種類がありますが、少なくともフェンダーの最高峰であることは間違いありません。

無理をしてでも自分にとっての最高峰を手に入れれば、その後の選択肢が簡単になる。という事です。

 

欲しいモノとは別に価格で商品を選んだ場合、次にどのくらいの金額でどのくらいの伸びしろがあるか分かりません。

 

次に金額に関わらず純粋に欲しいものを購入した場合、単純にソレで満足できるか、もしくは今回の僕のケースのように、この金額を出してこのクオリティなら、あの金額であのクオリティは十分だな…と理解できると思うのです。

 

以前は楽器屋さんに、

 

この金額でこのクオリティーは凄い!コスパ最高ですよ!

 

と言われたとき、

 

その金額ならそうかも知れないけど、もっと上の金額を出せばさらに良いんでしょ?

 

と思っていました。

 

でも今は完全に楽器屋さんに同意です。

 

大人になるための授業料ですね。

 

僕のように憧れや所有欲を満たしたりする以外、この金額は無意味だと思います。

逆に言うと、所有欲や憧れを満たそうとした場合、他のモノでは満たすことは出来ません。

 

偉そうなこと言ってますが、以前金融に勤めてた経験上、富裕層の方からすればなんてことない金額だということは理解しています。

ただ、僕には大きな買い物でした。

 

 

しかしまぁナンですね。

演奏技術はイマイチでも、このギターが購入できるくらいには頑張った自分を褒めてあげたいです。

 

思い起こせば、独立して何か月も給料を持って帰れなかった創業時。

2店舗目を任せていたスタッフに嘘をつかれて、一千万近い損失を出した数年前。

 

どちらも奥さんに両手をついて謝って、銀行から借り入れをし、家計からも資金を捻出してもらいました。

 

心から感謝です。

 

 

 

さーーて

 

 

 

今回も奥さんに両手をついて謝んなくっちゃな。

 

 

 

え?

 

 

 

なんでって?

 

 

 

ギターの金額なんて、言えるわけないじゃん(゚Д゚)ハァ?

 

 

 

レリック加工でボロボロのギターなんで、中古で安く買えたって言ってあります(ノ∀`)アチャー

 

 

 

 

レリック最高ーーーーー⤴

 

 

 

 

フォーーーーーー⤴

 

 

 

 

おしまい。