アニマルセラピーとは、動物に接することで心身の健康をはかるレクリエーション活動や療法の総称。

それに対し目的を定め、リハビリ計画などに定期的に動物を取り入れることを動物介在療法(アニマル・アシステッド・セラピー)と呼び、区別されている。

乗馬やイルカと泳ぐことで精神や身体のリハビリなどに取り組む療法は、海外では古くから取り入れられてきた。近年になり、より身近な犬や猫が医療現場で採用され、患者の症状改善に貢献している事例も報告されはじめた。

だが、動物たちがかかわることが治療法として認められるには、科学的なデータの蓄積が不可欠といえる。

動物を飼ったり、接することで、健康に好影響があるという研究の代表例は、1980年に米国ブルックリン大学で行われた調査だという。

心筋梗塞(こうそく)で倒れた92人の1年後の追跡調査で、死亡例はペットを飼っている53人のうち3人、飼っていない39人のうち11人と、生存率に大きく差が出た。

さらに対象を増やした95年の調査でも、ペットを飼っている人の生存率が高かった。飼い犬をなでていると血圧が下がったり、脈拍が安定するといった報告もある。

2008年11月末、国際的なアニマルセラピー活動の推進団体「デルタ協会」(米国・シアトル)のロレンス・ノーベル会長が「第5回ペットとふれあいシンポジウムとセミナー」のため来日した。

アメリカ・ペットフード協会主催の同講演会で、ノーベル会長は「現時点では不明な点が多い動物の効果を証明するために、医療現場の専門家の協力をあおぎ、体系的なデータベースをつくるのが急務だ」とした。

また、開業獣医師の団体である(社)日本動物病院福祉協会(JAHA)は86年からデルタ協会と連携し、小児科病棟や高齢者施設などで動物介在活動、療法を続けている。

活動の中心はボランティアと一般家庭で飼われている犬や猫。これまでに330施設で9000回以上実施し、学会などでも報告してきた。

活動を続けてきた赤坂動物病院院長 柴内裕子氏は「アニマルセラピーを希望する施設は増える傾向にあるが、その期待に応えるために、動物自身が人に接することが好きか、しつけや健康管理ができているかなどの、動物の適性基準を守ることが必要要。
その視点は、動物の福祉を守り、事故を防ぐ上でも重要だ」と語っている。