若者の恋愛離れ | はきだめ

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20代男性の53%が交際経験なし 恋人がいるのは5人に1人

上の記事を読んで、
「若者の恋愛離れ」
と言う人がいたのだが、
少し違う気がしている。

元々、結婚のメリットとは、
子供を作ること、世間からの信用、
経済的な理由だったと考えられる。
その昔、女性の立場が今より弱いころは
女が一人で生きてゆくことは難しかった。
男性の方は「結婚」することで世間からの
「一人前認定」と子供、つまり世継ぎや
労働力を作ることが目的だ。

だから親や周囲も結婚しない
男女がいれば、結婚しないなんて
とんでもない!と仲をとりなし、
「お見合い」という形で
無理矢理にでも結婚させてきた。

対して現代はというと、
女性も一人で生きてゆけるし
独身に対しての偏見もかなり
少なくなってきた。
家や世継ぎという概念も薄くなり、
家庭内での労働力の確保も、
豊かになった現代では不要だ。
どうしても子供が欲しいとさえ
思わなければ結婚するメリットは薄く
なりつつある。
それを受けて、見合いや仲を取り持つ
お節介おばさんなどの風習は風化して
いった。

今も昔も関係なく、
元来、男女問わず大体の日本人は
シャイで受け身で、
出来れば相手にアプローチして欲しい
と考えがちだ。
異性に迫られて嫌な気分になる人は
少ないが、自分からとなると断られたら
傷つくし格好悪いという防御本能が
出てしまうのが普通。

世間ではどちらかといえば
男性からリードすべきという
風潮があり、女性は受け身であっても
男性からアプローチを受ける可能性が
高いので交際経験の
パーセンテージが高めになる。

昔ならば、
自分から声をかけることが出来なかったり
恋愛に対して終着の薄い人でも
周囲がお節介をやいて「この人はどうだ」
「そろそろいい人を見つけなさい」と
無理矢理見合いをセッティングされて
結婚させられていたが、今はそういう
人は少ない。

結果として、稀にいる「異性に
積極的な男性」が女性を総取りという訳だ。
昔から元々、恋愛に積極的でない人の方が
多かったのだが、それに輪をかけて
世間の価値観の変化が男女の出会いの
頻度や結婚の価値を薄くしてしまって
いるだけで、別に若者が恋愛から
離れたのではない。

たまに
「女性が一人で生きてゆけるから
調子にのって結婚しないのだ」
「やはり女は働くべきではなく、
家で子育てだけするべきだ」と
いう人がいるが、私はそうは思わない。
歴史が長い時間をかけて女性の自由を
確保したというのに、それを否定して
昔に戻ってどうする。

どんな人間にも自由に生きる権利は
あった方がいいに決まっている。
性別を理由に、やりたいことが出来ない
送りたい人生が送れないなんて理不尽だ。

世間の価値観が変わったのに
制度が古いままなせいで若者が結婚せず
少子化になっているのだから、
時代の変化に合わせて制度を変える
方がよほど現実的だ。
「女は昔のように家で大人しくしていろ」
と言うのは思考停止で、
少子化に対して大して興味がない人の
意見でしかないと思っている。