もしも言葉のない世界なら、

僕達は惑わされたり疑ったりすることもなくもっとうまく分かりあえるだろうか。

見つめるだけで、触れるだけで全てが通じて、余計な約束や苦悩から解放されるのだろうか。

僕が望む言葉を君が口にしたとしても、

僕が伝えたい心をこの口から吐き出そうとしても、

それが言葉にしか過ぎないことを僕は知っているから、

僕はまた苦しみの迷宮の中に沈み込む。

だから僕は君が望む全てになろうとする。

たとえ絶望にうちひしがれようとも、

僕はその言葉を愛し、

その言葉を否定し、

さまよいながら少しずつ前に進んで行く。

この言葉の支配する世界の中で。