薄氷僕は忘れてしまっていた。 あの薄氷を踏むような恋を。 手に入れたものはこの世で最も尊いもので、それはとてもはかないもの。 薄氷を踏み破ってしまった後でそのことに気付く。 取り返しがつかないということには気が付かず、必死にもがく。 でも彼女の中にはもう僕はいない。 永遠に戻らない。 僕は後悔と絶望に打ちひしがれ、彼女の頬にはただ思い出という涙が流れる。 僕は今また薄氷の上を歩いているのだろうか。 今度はそこを渡りきれるだろうか。