様々な経験を積み重ねて僕は大人になっていく。
知らなかったことを知るようになり、
そのかわりに大事にしていた感情を捨てて、
僕は少しづつ作り替えられていく。
そうやって今の僕がここにいる。
気がつくと、
僕はほんの数年前に自分がなぜあんなことをしたのかも理解できないし、
その時何を思っていたのかも思い出せない。
じゃあ、僕っていったいなんなんだろう。
今の僕はこの僕を僕って呼ぶけれども、
昨日の僕や、明日の僕はもう僕ではない。
昨日の僕や、明日の僕にとっての僕でしかない。
そんなふうに今まで他人として生きてきて、
これからまた僕の人生を他人の手に委ねるのはとても恐いことだけれども、
これからの人生をどの僕に委ねるかは今の僕が決めることができる。
そうやって今の僕は今までの僕に僕というものの人生を委ねられてきた。
今のこの僕だけは祈ってあげよう。
これまで去って行った僕とこれからやって来る僕のために。