自分は孤独だと感じていた。
誰にも必要とされず毎晩暗い部屋で震え、
街ですれ違う恋人達を羨んだ。
寂しさに耐えきれず他人を傷つけ自分を損なっていった。
青春時代は恋愛が最高の人生勉強だと誰かが言ったが、
僕はこのまま恋愛もできずに悪循環を繰り返し、
大人になりきれないまま一人で生きていかなければならないんだと諦めていた。
でも僕の求める幸せは突然やってきた。
あの長い冬に震えていた僕を馬鹿にするように、
その春はあっと言う間に僕の生活と僕自身を塗り替えた。
僕はこれこそ僕の本当の人生と僕の本当の姿だと思った。
でも一方で、
僕は孤独によって研ぎ澄まされてきた僕の中の何かが鈍っていくのを感じていた。
僕はその何かを失いたくなかった。
そうしてやっぱり僕は一人ぼっちで生きていくことになった。