スーパーホワイト化する社会の住宅 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

 YouTubeやSNSを通じて、世間の意識を知ることになって大変勉強になっております。
私の動画で、天井にダウンライトをつけないわけといった、照明計画に関する私の動画にコメントが寄せられました。

 

 

 


モーガルソケットは良いとしながら、しかし、
「電球がむき出しのためにほこりが気になる」との意見です。
別の方からも、「ペンダントライトを吊るした際に、
コードにほこりが溜まるのが気になる」とのご意見も寄せられました。

モーガルソケットとは、陶器のガイシで、そこに裸電球がついているだけです。なので、「取り外しもできるし、極めて掃除がしやすいですね」とおもうのですが、
突起物があること自体が気になるのでしょう。

この方々を批判する気は毛頭なく、
なんでこのような人が多いのだろうか。そっちの方が気になります。

床下エアコン暖房のガラリも「下にほこりが落ちたらどうするんですか?」と、
ネット情報では危惧する人もおります。

いずれにしろ、
「気になるなら掃除すればいいですね。」とか、
「気になるのは気のせいです」 と、本音では思うのですが、

むしろこっちが気になるのは、
どうしてそんな気にしなくていいことを気にするのだろう。ってことです。
これは現代社会の変化を意味しているように思うのです。

 

 

ホワイト化する社会


関連して、ユーチューバーの岡田斗司夫さんが、「ホワイト化する社会」と表現していましたのと関係性があるなと思いました。 動画も紹介しますんで、おもしろいので良かったらどうぞ。

 

 



つまり、ホワイト化社会では、不細工なものは悪である。
ドラマやテレビでは、若い女性は徹底的に容姿が美しいことが要求される。
これを 「ルッキズム」外観至上主義と言えるようです。

少し前まではお笑い芸人の、少し不細工な女性に対して、
司会者が 顔をネタにいじることがあったけれど、
今ではそれはハラスメントとして許されない行為となってしまったようだ。

住宅においてもホワイト化しているのではないか?
根っこは同じなのではないかと思うのです。

近ごろの新築住宅は、ツルツルですべすべしています。
床は、木の模様がプリントされたシートフロアでつるつる。
照明器具もダウンライトが多用され、突起物ではない。。。
外もコンクリートで草の一本も生えはしないようにしたがる。

夫婦が仕事で昼間外に出ている間、
ロボット掃除機がほこりを「全て」取り除いてくれる
完全自動化された スーパーホワイトな空間が欲しい。のだろう。

私は「畳動画」もアップしているけれど、
い草のような本物の自然物は、毛深くてざらざらした獣のようで、
こういったテクスチャーは支持されないのだろう。

 

私らの家は五感とつながっていたい

我々が良しとしているのは、スーパーホワイト化する社会とは逆のベクトルです。

テクスチャーが人間の触覚作用して、「見た目」と「素材の感触」との一致を感じること。
お客様がモデルハウスに入ると、まずは「木の香り」がする~とおっしゃいます。
人間は五感で生きている生き物のはず。
身体的感覚が正しい状態でいられるように近づけた住環境は大事ではないのかな。

無味無臭の、スーパーフラットで、ホワイト化した住環境は、そこに住む人間の脆弱さをにしてしまうのではないのか?心配です。時に「ホテルライク」などと勘違いされ、「非日常性の空間」にして欲しい。という人もいらっしゃるかもしれませんが、「日常を豊かに」することを求めたほうがいいように思うのです。

余談:
現代アーティストの村上隆が、「スーパーフラット」という概念を提唱していたのが、ひょっとして岡田斗司夫的な社会の見方をしていたのかと思い、再確認したら、全然関係ないようです。 かつてやった展覧会の紹介動画がかっこいいのでリンクを張っておきます。