養老哲学と現代のインスタントな社会 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

私のブログにて、巻文化会館にて
養老孟司さんの講演会の
ご案内をさせていただきました。

 



文化会館存続のためや、ホイミの齋藤さんのためだけに、
特別協賛をしたわけではなく、
それを理由としたら30%程度です。

メインになるのは、養老さんの思想を
皆さんと共に分かち合いたいとの想いです。

大ベストセラー「バカの壁」が
生まれることになったきっかけは、
若かりし頃、家庭教師で数学を教えていた時に、
どんなに丁寧に教えてもわからない子供が
いることに気づいたから。

それ以来、バカはどうして生まれるのだろうと
思索を続けてきて一冊の本にまとめた。

バカの壁とは、「自分の知らない世界を知ろうとしない」
そんな姿勢から生まれる。


SNS時代、自分で知りたいことだけに目を向け、
サジェスチョンやユーザー評価で買い物をする。

人の目線で考えない。自分の脳みそで考えない。
そんな病の現代日本人こそが、今読むべき本だと思います。


養老先生の講演テーマでの中心になるのが
バカの壁からの「人間の意識や認知」についてが多いですし、。
解剖学者ならではの、「脳と体の重要な関係性」も真骨頂です。

さらには、世界中を旅して学び、大いに書籍で学び、
専門領域以外でも何でもお答えできる。

世界の宗教や、特に仏教に関して見識が高い。
もちろん子供の教育や、学習に関しても、
一流のアンサーを出していただけるし、

社会文明や建築なども大変明るいことに驚きます。
講演会での動画が数多くありますし、

 


養老孟司公式チャンネルもありますのでユーチューブで
ご紹介をしておきます。
(本の方が何倍も染みてくるのでおススメですが)

リアリティを失ったシステム社会

人間社会や文明は、人間の意識が働きかけ、
このように大きく発展してきた。
つまり、脳みそが作り上げた「システム社会」になっている。
そして、様々な役割や機能が割り振られ、
人間は「会社員的」になり、システムの中で役割を全うする存在になった。

しかしながら、生きているリアリティーを失い、
幸福感に満ち満ちている、社会とは思えないのはなぜでしょうか?

養老先生は、「身体性の欠如」がされているためだと看破する。
頭と体は密接な関係性がある。 頭は体の一部だからだ。
脳の思考だけで出来上がったものがすべてだと勘違いしているから、問題が起きる。

インスタントな家を望む現代人

これは住宅にも言えること。
値段と供給システムを徹底的に追求して、
合理性だけで家づくりを進めてきた。

例えば、究極はプレハブメーカーの家。
コマーシャルでブランディングして、消費者へと供給される。

「安心で・便利で・快適な」セブンイレブンが世の中に広がったのと同じ理由で、
インスタントな家づくりが中心になった。

コンビニのレジ打ちは、誰がやっても同じ結果になるように、
顔の見える関係性ではなく、巨大なシステムで住宅を供給している。

そして出来上がった住宅は、地震の際に安心で、
便利な生活設備が付加価値だとされてきた。

しかしながら、「身体的」は切り離されてはいないだろうか?
五感とは「視覚・触覚・嗅覚・聴覚・味覚」である。

システムで供給された住宅は、住宅の目に見えるところ、
触れるところ、全てが偽物のプリントシート張りの建材でできている。
木目のプリントの、ビニール臭い家。視覚を欺き、本来の触覚を失わせた。

全国どこでも同じものが良い。
システムは変化やイレギュラーがあるものを欠陥ととらえるから。

なので、週末に子供と出かけて食べるものすら、マクドナルド。
暮らし全てが成り立つほど、システムは肥大化して社会を覆っている。

住宅もまがい物だらけの塩ビシートで覆われてしまったのは、
実は我々現代日本人が、それを望んでいるからの結果である。

壁表面の1㎜の隙間が許せない。床の隙間が欠陥ではないか?
こうした均質性への幻想が変形しにくく、ムラの無い新建材を広めた。

葉っぱが落ちるし、草が生えるのは嫌だから、
敷地はコンクリートで覆い、
雨に濡れるのが嫌なのでカーポートで覆う。

自然とは移ろうものだし、同じものの無い世界。
本来は自分自身も自然のもので、10年前の自分は、
今の自分とは別の存在であるあるのに、

その自分を本当は分かっていなっから、システムに乗っかってしまう。

その結果がインスタントな消費行動ですべて完結させようとしているのだ。

 

生き物の人間が本当に欲する場とは何か?

幼少期の子供が手に触れ、素材の表情と、触れたときの感触、そして匂いの、
完全なる一致がされている
のが自然素材の家である。
五感に誠実な、暮らしの器であることを「あたりまえ」だと私らは考える。

さらには、庭と大きくつながり、子供と一緒になって楽しんで、
家庭菜園で季節の野菜が収穫できたならば、味覚も加わりすべての五感が満たされる。


養老哲学の中心に流れているのは、
行き過ぎた脳の意識で、全てを作り上げるには限界があるよ。
だって人間は生き物だから。といった自然の哲学なのです。

なるようになる。無理もしない。
非常に本質を捉えた、魂がすっと楽になるようなお話ばかりです。

 

堀部さんが言っていたことも同じこと

堀部安嗣さんが*講演会でおっしゃったことも、内容は全く同義である。
「建築を気持ちで考える」は、まさに5感を育むことの意義。
「顔の見える関係性」を回復させ、自分が自分らしく入れる場所(ヒュッゲ)
を手に入れることだ

                



私たちが提供したい理想とする住環境の哲学を、
大いに代弁していただいているのが養老先生。
より多くの人に聞いていただきたいと考えて、特別協賛した次第です。


講演会の際には、会場の優先的なエリアで座席を確保しました。

今までお世話になったお客様、これからオガスタ新潟で
住宅を建てようとしていただいてるお客様に、
感謝の気持ちで抽選で5名の方に、ご招待します。


ホームページのリンク先からお申し込みください。
締め切りは4月18日まで