デザインのためのデザイン住宅はありか? | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ


私はTwitterに質問箱という、
一般の方から匿名で質問を受け付けるサービスを行っています。


ある匿名さんからの質問が、(質問ではなく意見でしたが)

そのままごみ箱に入れるのがもったいなく、

 

アンサーすることで、我々が何をやりたいのか明確になると考え

記事にしております。

 

 

最初の「木を植えることの是非に関して」は、

もはや言うまでもないことですが、そこまで管理意欲が無いのならば、

管理会社に管理が託せる、マンションに住めばいいだけです。

 

結婚しました。

はい、子供ができました。

じゃぁ 家を建てないとならない。 という思い込みというか

強迫観念からは そろそろ日本人は卒業すべきだと考えます。

 

会社のHPにて、庭と一体の設計について説明している中で、

いかに管理が楽にできるかという、「自然な庭」のスタイルを

我々は勧めていることにも触れておきましょう。

 

 

次のテーマは丁寧に説明しておきたいところです。

 


オーガニックスタジオ新潟は
「デザインの為のデザインをしないこだわりも素晴らしいと思いますが、
デザインの為のデザインでしか表現できないものがある」
との
意見がありました。

それはそのとおりでごもっともです。  表現できないものはあるでしょう。

世の中、残念ながら何を作ろうが、
法律の範囲であれば、構わないことになっている。

自分のやりたいように家を作り、
後先で問題なければ良いのですが、どうやらそうでは無い。

15年前程度、建築家ブームがあって、
ライフスタイル雑誌のpenやブルータス・カーサなどの影響か?
デザイン住宅を、建築家に頼むのが人気な時がありました。

 



新潟においてもプロデュース会社が、
アトリエ系建築家を束ねて、
お客様に紹介してマッチングさせるサービスが、
いい感じで盛り上がっていました。

当時の私も わくわくして見に行ったものです。

アトリエ系設計事務所とは、
「特に建築家個人の作家性を強く反映した設計を行う
 設計事務所に対する通称である。」  
wikipedia より

すでに評価の定まった、実力派の住宅作家の方は、
住まいの基本もしっかりされてる方が多いと感じます。

そうでなく、xxxx事務所で修行を積んで、
独立したばかりの実績も乏しい個人の事務所は、
頭角を現すために、デザインのためのデザインに走りがち。

つまり、自分の作品性を強く出し、目立つための奇抜な、
目を引くデザインにたくなりがちです。

かつてはやった新潟のプロデュース会社も、
今ではすっかり下火になってしまった。

何故かと言うと、そういったデザインのためのデザインの住宅が、
雨漏りや 外壁の落下。 ドアが風で飛んで行ったり、
寒くて生活できないなど、住んでからの不具合が多発した。


また こうしたトラブルを、
作らせた工務店側に責任を擦り付けることがあった。

工務店の、ただでさえ利益を絞られたのに、
クレーム処理の追加原価が生じて、
台帳を閉めると赤字という現場も発生した。

とことん 懲りてしまって、
もう二度と先生方の仕事を引き受けたくない。

 

こんな 話を聞いたことがあります。


こうしたことが続けば、作家としても作りたくてもつくれない。

住宅を依頼する人の側からしてみても、
最初は個性的な家になって、
差別化欲求が満たされたかもしれないが、
住んでからの満足が持続するかどうかは別のもの。

住宅は、「暮らしを包む器」であるから。
それも30年50年「気持ちよく住めるためのストック」
であるべきものだとの視点を忘れてはならない。

アトリエ建築家の、自分の作品意欲のための住宅。
お客様も、今の自分だけの感情に則った依頼。

かつてフランク・ロイド・ライトに発注したパトロンのように、
使い切れない位のお金と、
雨漏りぐらい笑って済ませるだけの技量があれば、
何をしてもいいけれど。

SDGsが叫ばれる現代の社会において、
「未来のみんなが良くなること」をしていかないと、
なにもかも続かないと思います。

デザインのためのデザインしても結構だけれど、
建築物理の法則に反したものや、
住まいの基本ができてないものは、

大体において困った結果になると私たちは考えています。
長期的に問題がないかの観点で、確認すべきでしょう。