つくば里山住宅祭。 コモンガーデンを考える。 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

つくばの里山住宅祭に行ってきました。

全国の北海道から沖縄まで約150人の見学者が集まり、
バス4台で会場入りし、
20件近くの地域工務店の住宅を見学してまいりました。

少子高齢化での家余りの時代を迎えるにあたって、
新規造成はどうなのだと声もある中で、
安いし仕方ないから郊外で暮らすのではなく、
積極的な、ここでしかできない郊外ライフを実現させる。
という趣旨。


それに賛同した地域工務店と、
地場産林業の復興と、定住促進を期待する県とが推進する。


呼び物は先導的な住宅であるバンガードハウス。
人気住宅作家の両横綱の伊礼さん堀部さん。
そしてパッシブハウスのトップの森さんの住宅3軒が集う、
魔のトライアングルゾーンが呼び物だ。


3年前の兵庫で行われた里山住宅祭との比較で、
いろいろ考えるところがあったわけですが、
とりとめもなく 前回に引き続きお伝えしたいです。

団地の街区デザインの売りとしては、
建物に囲まれた中央の共有の庭があり
コモンガーデンと名づけられた。

 

まぁ だいぶ実態は異なるが、ヨーロッパの街区と同じ効果を狙っている。

 



これは 私が30年前に住んでいたフランクフルトの住宅街。

こちらの集合住宅で1年住んでいました。


道路方向からはエレベーター無しで

生活可能な4~5階建ての建物の壁が連なり、

建物の裏側は見ることができない。

 


上から見るとわかることだが、

街区の内部は公園のような高木が茂る。公園並みの緑地がある。
窓を開放していても 向かいさんは気にならない。

 

地下に設けられたボイラーでできたお湯が全棟供給され、

パネルヒーティングがトイレまでされ、もちろん全館暖房。

エアータイトな樹脂の滑り出し窓でコモンの森を眺めた暮らし。

これは ごく普通の都会の賃貸ライフです。

これがヨーロピアンの豊かさだ。

 

大東建託とレオパレスの賃貸あたりがスタンダードな

日本人の賃貸ライフとの違いに唖然としましょう。

(脇道失礼)

 

つくば里山住宅祭では こうしたことがやりたかったようだ。

 


これがつくば里山の裏窓からの眺め。。。

 


兵庫の場合は、外構施工業者が1社にまとめられ、
植栽自体も徹底されていたが、つくばは予算もあまり十分でないようで
見劣りする事は否めない。
計画に際して植栽がされていたが、H=1m程度の苗であって、
少し残念だが、10年後には雰囲気がよると良くなるだろうと期待したい。

 

せっかくのコモンなのだから、住宅の脇道の整備についての

ルール付けをして、 コモンに出入りしやすくするといいですね。

 


新潟における造成団地で、こうした「コモン」について

意識したところが無いかというと、リビングギャラリーさん。

 

街並みにコンセプトを設け、
女池や天野にて、建築家の天野さんに街区デザインをさせて、
スノーピークコラボで、共有地でアウトドアライフを提案に盛り込んだが、
事例としては稀有である。 (中庭的なコモンではないが)

 

利他の心の「コモン」の意識を、

短期的な販売の仕掛けであっただけで終わらせてはならない。

10年、20年という長期的な街の魅力向上には、
緑化と、地域コミュニティ意識がカギを握っている。
と感じました。