札幌聖ミカエル教会
カトリック新発田教会と、うり二つの教会が札幌にあることはけっこう知られている。
先日、講演後の移動中に、北海道住宅新聞社の白井社長の運転で移動中、たまたま聖ミカエル教会の前を通りがかった。
「わぁ! 停めて 停めて!」
仕事での北海道道中であるから、もちろん計画はしていないけれど、
まさか訪問できることができるとは。
レーモンドが「見ておきなよ」と呼び寄せてくれたに違いない。
玄関ポーチ部分の広がり方が、ウェルカム感が出ているところの雰囲気がまさに兄弟建築である。
変化のある屋根のフォルム、丸太梁とレンガ積み、そして和紙の切り張りのステンドグラスに共通項が見出されます。
(せっかくなんで証拠写真をパチリ)
特にレンガ積みの方法は、新発田教会の方法と全く同じです。
A・レーモンドは耐震性の確保に定評のある建築家であるから、レンガの積み方は中空層を設け、内部を鉄筋コンクリートにすることで丈夫である。
(「カトリック新発田教会献堂50周年」での模型展示 があった、
どうやら定番の手法のようです。
札幌聖ミカエル教会については、
残念ながら外部からの見学しかできませんでしたが、期せずしての対面に感激です。
詳細をご希望の方は、重山陽一郎様のブログへどうぞ
写真を豊富に見ることができます。
さてさて、少し前の出来事でネタに温めていたことですが
「カトリック新発田教会献堂50周年」の式典に参加した。
その際に、佐藤司祭様より、兄弟の教会の大きな違いについてお話があった。
長らく教会の内部では、司祭は信徒たちを代表して神に(個人的に)祈るということであった。十字架を正面に、神父は信者たちに背を向けて祈る。
信者たちは 祈る司祭の背中を眺めながら一緒に祈る。
信者たちは真ん中を空けてまっすぐに列になり並ぶというレイアウトです。
バージンロードを花嫁が通るシーンで よくあるあの並び方です。
札幌の教会は1960年竣工。定礎板には施工が竹中工務店であったことが記されていた。
ここまでは、従来式のレイアウトデザインで教会内部は設計されていた。
新発田の教会は1965年竣工。施工は新発田建設である。
竣工の差は5年である。
この合間に、バチカンでは、典礼方法の大改革が決まり、教会の内部空間にも劇的に変化する。
典礼行為は、司祭の祈る個人的行為ではなく、「一致のために教会共同体で囲む食卓」というように見直されました。
司祭は信者たちの方に向き、信者はコンサート会場のように祭壇を取り囲むレイアウトへと変更された。それが兄弟の大きな差ですよ。と、佐藤司祭様のご説明。
最新の方法にのっとって設計された初の教会が新発田教会。
つまり要求される内部空間は、札幌では教室のように長方形であるのに対し、
新発田では扇方である。 それにより屋根形状が変化し、外観的な差異へとつながっている。
後からつくられた新発田教会の方が兄貴分の経験を踏まえて、より進化している。
「木造建築の教会での集大成であり最高傑作」と、
㈱ レーモンド設計事務所の三浦様もおっしゃっていた。 同感であります。
新発田教会の屋根の特徴のわかる写真を見たい人は、建築家飯尾満様のブログへ どうぞ
そう。 レーモンド設計事務所は設立は1921年。今年で95年を経るという歴史のある会社だ。 今でもバリバリに活動している設計事務所で、新潟ですと、私の自宅からすぐの、
「西蒲メディカルセンター病院」もレーモンド事務所の設計だ。
佐藤司祭様のご紹介で、三浦様とも挨拶させてもらうことができました。 感謝です。
A・レーモンドファン・わらしべ長者も最終地点までたどり着いた感じでございます。
感慨無量でした。
そして、生き証人、三浦様から聞き、新たに知ったことについては・・・
また別の機会に記事にします。