胡粉にて木を塗る | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

木部のダーク系はだいたい分かった。

次は白系をどうするか。 

今までは 某染料会社の 「白柿渋」という製品を付き板に塗って、乾性油で定着させていたが、どうやらその「白柿渋」というものが製造中止になるということ。 まぁ あまり需要が無いということなのだろう。

でも、困るのは私たち。 歴代の建具の仕上げで 白系はなかなか気に入っていたのに~~~~~。

こうなると、自分でつくるしかない。

「白柿渋」とは言っても、柿渋の本来の色は 薄 赤茶色。

白いわけが無い。

ここには何かしらの顔料が含まれているとにらんだ。


つきましては 色々な伝統的な仕上げを研究した。

工業製品の塗料もやってみても、結局は伝統的な仕上げの方がいい仕上がりだったりすることが多いということも分かってきた。

そこで目を付けたのが、「胡粉」


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漆工芸用材の専門店より、いろいろ興味があった材料をどっさり取り寄せる。

この中央のものが 末端価格1億円の ヘロインではなく、 胡粉 。(ごふん)


京都の舞妓さんのおしろい。 そして日本画で用いる 白である。

どうやら 日光東照宮の白い柱は胡粉だし、

いわゆるレーモンド司祭館の 母屋の小口の白い塗装も胡粉ではないかと思われる。 歴史的に、建築での白色は 胡粉なんです。

ここまでくると ゴールは近い。


純然たる胡粉は、焼きはぐりの殻を焼成して、真っ白に精製して作るらしいが、

建築で使う分には そこまでの質の良いものでなくとも良い。

胡粉をにかわ で溶いて 薄く塗ってからふき取る。

おぉ 実にいい感じだ。


ためしに ふらりと来た仲間に見せてみる。

仲間 「おしろいみたいですね。」

相模 「よく分かったな! おしろいそのものだよ。」 (・∀・)


濃く塗れば目潰しの真白い壁になるし、薄く塗れば木目の表情を生かせる。

けっこうデリケートな感じであるが、乾くと表面は硬い感じ。

それは、成分が炭酸カルシウムだから、大理石と同じ成分。

薄く大理石でコーティングしたと思っていればはずれではない。


胡粉の白絵の具は水溶性だから、ここに柿渋を混ぜれば、撥水効果も少しはあろうかと思うし、乾性油で保護すれば、なおさら塗膜は丈夫になる。


オーナー宅に 客人が来た時に・・・・・・

「この白い仕上げは 日光東照宮と同じ仕上げなんですよ。」

なんて言うと すごいことしているな! って 鼻高々ですね。


よっしゃ 使えるぞ。   ・・・・ しかし 手間がべらぼうにかかる仕上げだな。

                      (x_x;)