兄貴分の「オーガニックスタジオ栃木」は、極めて健康住宅路線で敬服するところがあります。根太ピッチを半分にして、建築の必需品の床合板すら使わないことに挑戦したり、杉皮で出来た断熱材を外張りにしたり、かなり進歩的に健康と環境配慮へ果敢にチャレンジしているのです。
同じく「オーガニックスタジオ」を冠していても、私たちは健康住宅だよとは言っていないはず。住宅の思想に差はあるわけです。
私たちは、住む人の尊厳のために、仕上げを自然にするというところが主義であって、自然な風合いの素材を多用するから、結果として心と体の健康によいのかなという考えです。 優先順位が違うといえるかもしれません。
さて、全くVOC(揮発性有機化合物)が出ていな い新建材ばかりで仕上げれば、シックハウスにはならない。24時間換気もしているから イコール健康住宅だという論法が世の中にはありますが、ナンセンス。
プリントの塩ビシートよりも、シナやナラのベニアのほうが無垢の木材ではないけれど、表面は本物の木なので、何百倍も風合いがよく価値があると思ってますので、内装仕上げにも合板を使います。建具も合板を利用するケースが多いです。
コストを現実的に、木質感を出すには必需品なのです。
もちろん危険な合板は使いませんし、いまどきは
☆☆☆☆は当たり前なので、家がシックハウスになるようにつくること自体にはならないことは分かってはいます。しかし、自分たちのつくった住宅がどのくらいのVOC濃度であるのか?
お客様は幼子もいて、奥様の在宅率も高く、まして夜は家で寝るわけです。完成見学会でお披露目したw様邸は、やたらと棚板の枚数が多いし、塗装もかなりやりましたので、
VOC濃度測定を行うことにしました。
(結果は明日UPします)
私が住宅デビューした頃は、夏には目がちかちかするし、あの匂いが「わー新築の匂いだ」などと喜んでいたものです。 当時の住宅は少なからずVOC濃度が高かったようです。古い資料で恐縮ですが、中でも有名なのが96年のMホームで問題になった家で、ホルム濃度はなんと1.17ppm。だったそうです。
これは厚生省の示す現代のガイドラインの約15倍です。当然深刻な健康被害が全国で発生し、長岡地裁でも裁判がされました。
「新築なのに住めない」シックハウスが社会問題化し、こうした事例により2003年より計画換気の義務付けがなどの対策が行われ今に至るのです。