オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

写真アルバムで過去の施工実例をすべて公開中。

新潟で自然素材の家をつくる社長の 新潟で一番おもしろい建築ブログ



 家づくりのお役立ち情報は、ホームページの「家づくりの知識」に引越ししました。

 家づくりについて勉強したいなら、そちらでどうぞ。 

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フラワーホーム藤田社長の自邸の訪問記その2です。
藤田社長は「吉村山荘」好きですねと 伝えた。
それがイメージの源泉となり家づくりが進められた。 とのこと

確かに内装や外装はそのまま吉村山荘そのものですが、
何か大きな点が異なると思ってました。



改めて吉村山荘を確認すると、2階リビングがあり、2間間口の引き込みの掃き出し窓と、

1間の掃き出し窓と隅切りで合わさってまるで、まるで森の中に身を置いているような感覚が得ることができる。

といいます。



一方で伊礼さんの設計では、同じく隅切り窓で、窓辺で椅子を配置するポジションも同じであるが、

開口部をぐっと絞り込み景色の1部を切り取るような印象の窓で、窓の大きさが圧倒的に異なる。


開口部を絞りこむことでが空間に陰影が生まれ、

特に内装が漆喰のように極めて光の反射率が高い明るい仕上げでしていると

美しい光のグラデーションを得ることができるし、
壁をあえて多く設け、狙った風景だけを切り取ったピクチャーウィンドウの効果を狙うことは理解できる。
今回は、内装がすべて木質系仕上げてあるから、風景を切り取るとことに主眼が置かれていると理解した。

(上の写真: お墓と祠を囲う数本の木々が、風景を引き締めるよい焦点となっている)



家の中にいる時はむしろ包まれるような感覚で、

1歩外のウッドデッキに出れば、全身が外を感じることになるからこれで良いのではないか? 

という うちのスタッフの意見もあった。
藤田さん本人もあまり明るすぎないのが好ましいとの希望であったようなので、これでいいのだ。


この建築地はバリ島のリゾートホテルのような

ライステラス(棚田)をパノラマで俯瞰できる絶景のロケーション。

おまけに下に小川が流れている。 しかも誰からも見られることのない。
せっかく素晴らしい絶景が広がっているのだから、

リビングからも実際の吉村山荘のようにパノラマビューにしないともったいないと感じました。
正直、外の絶景を知っているがゆえに、見え足たりなくて チラ見えにイライラしていました。

というのは わたしの個人的見解です。

はたまた、今回は伊礼さんにとって、準寒冷地でエコハウスのしっかりしたものにしたいという意欲を示していた。
付加断熱+トリプル樹脂サッシで Ua値は0.28というかなりな低い数値である。
開口部最大化すると 見かけのUa値は悪化するから それも脳裏にあったのか?



設計者それぞれで、開口部の感覚には個性があって、これが正解これが間違いというものはない。
窓を極大化する例で言えば、秋田の西方設計さんは右端にいる。


西方先生曰く「裏日本は冬の光が乏しいから冬に大きく窓開けて明るく室内をしたい」とおっしゃっていた。

それと南面を最大化して暖房エネを少なくするのはエコハウスの肝であるし。
しかし、冬でない中間期などは光が強すぎる。
そこで、外付けブラインドで光の量を調整することを住宅において先導的に実践し、独自のメソッドを構築している。
西方設計の感覚の対極の、左端に位置するのが伊礼さんの今回の事例の感覚なのかな。と思いました。




広い開口を望むかどうかの感覚っていうのが個人差があるので個性が出る。
右端から左端の幅の、どこかしらにみんないるのではないかなというのが気付きです。


うちの設計スタッフでも微妙な差異があり、

私は直近の事例で漆山の家でもやりましたが、遠方まで見渡せるロケーションならば、

巨大開口で外とつなげるのを好むタイプです。

 

 


 

伊礼さんをディスった印象の記事ととられると不本意なので、最後にアゲアゲの記事で閉めたいと思う。
窓を絞ったとしても、だからこそ吟味した開口部には徹底的に美しさを考え抜いていて、
完璧ともいえるディテールが備わっていていた。

 

一例として、
何気ない窓ですが、ハニカム断熱ブラインドと網戸が見えないような収まりが完璧。

それと脇の壁のディテールとのからみも全部一体で完成してますね。

 

 


そこに設計者の繊細さが宿る。 

さすが住宅設計の巨人です。

 

このソファーコーナーでもわかるように、施工難易度がかなり高い。

作りえた監督と大工を始めとした 職人の確かな技能がフラワーホームにはあるなと思いました。



 


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建築家の伊礼さんの設計で完成した、十日町市のフラワーホーム、

藤田社長のご自宅が完成したのでご好意で全社員で見学させていただきました。
フラワーホームは、現在「大地の芸術祭」で賑わっている十日町を代表する工務店です。

依頼主の藤田社長は伊礼さんの設計により、雪国でゼロ・エネルギー・ハウスを実現したい。

そのためには屋根の上にソーラーパネルを搭載する必要がある。
しかし、十日町は日本有数の豪雪地帯。

 

高性能に目覚めた伊礼さん。

今回は準寒冷地だから 気合入れて性能もやりたい。

 

さあどうするか? 

そのあたりの視察で 2017年 オガスタにいらしたのは当時記事にしております。
そういった経緯もあっての ついに完成だったのです。



住宅のテイストとして、藤田社長は、吉村順三の山荘が好きだとお伝えした。
そこで、内部・外部の仕上げが木質仕上げ100%となり、住宅よりも週末住宅のテイストでまとめられた。

 


だから伊礼さんの作品の中でも、かなりイレギュラーなものに仕上がってます。

落雪方向で屋根形状が決まり、ソーラー屋根のおかげでそれなりの勾配に収まっております。


内部も100%木質仕上げ。。。。。。

伊礼さんの真骨頂は「設計の標準化」です。
伊礼さんは過去の自身の仕事でできのよい部分を標準化し、

繰り返し用いることで設計の効率化を図ることを進めている。 

都度都度その標準も進化しているはず。

 


老舗うなぎ屋の、継ぎ足し継ぎ足しの秘伝のたれのごとし。


施工詳細図面は書籍化され、我々スタッフも何度となく見ているから、
初めての見る伊礼物件でも初めて見た気がしない。という。


特に、ハーフユニットバスを使った標準的なお風呂が非常に気持ちが良い。
新潟市は車で30分行けば、日帰り温泉施設で天然温泉に浸ることができるから、
自宅のお風呂でお金をかけたいという人が少ないのだろうか、
お風呂にお金を掛けたいという人がほとんど存在しない。
それに、関東に比べれば湿度も高いのでカビを心配して、
仕上げを木にするのも少し勇気がいる。

全体の換気計画とも調整し、仕上げ処理を工夫すれば新潟市エリアでも、木の仕上げのお風呂はうまくいけると思うのですが、今後、こうしたこともできるよと情報発信すれば、いくらかはやりたい人が申し出てくれるのではないかと期待します。

大事な窓周りのお話など、語りつくせず
長くなりそうなんで、続きはまたの機会に。


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今年も北海道石油連盟のお招きで、講演会を行いに、
カーリング娘で有名な北見市まできました。

北見市にはあくの強い工務店社長がいるのをFacebookで見つけました。


 

 


伊礼さんの首絞めたり、シンケンの迫社長の顔にいたずら書きしたり、
傍若無人な  やりたい放題の暴れん坊。
見た目もちょっとジャイアンぽいし、変な社長がいるものだと気になっていた。

他にも東京の田中工務店、西方設計とも仲が良いようです。
日本においてはかなり最果ての一人工務店なのに、

不思議なほどエクセレントな人々とつながりがある。

ただものでは無い。

 

今回同行いただいた 北海道住宅新聞社の白井社長の取次で、

傍若無人なリアルジャイアンに遭遇することができましたが、

気に入らないとなると、何されるかわからず、びくびくしておりました。

 

でも 同じ匂いをかぎ取ったようで FBで友録申請してくれてホッとしました。



 

会社名の名前は、エボホーム
趣味のラリーで用いる、ランサーエボリューションの意味でしょうか?
(今はスバルWRXのようだが) 完全なラリー仕様のラリー車が、
作業場に確保されている。
それに加えて日産GT-R持っていて、かなりな車付き。



そんな漢車!好きのジャイアンなのに、作ってる住宅は輸入住宅的なかわいい系。

このギャップがすごすぎます。


この手のデザインは一定の支持者がいてすたれることがない。
デザインで被る競争相手も、いかつては北見に数社存在していたが、

全て撤退してしまった。 つまり追い払ってしまったわけだ。

 


 

10数年前から会社に併設したインテリア雑貨店を経営している。
「オーナーさんとの接点を持ちたかった」ということで、今でいうビレッジ戦略。
店舗で世界観を演出する手法をだいぶ前から実践している。




多い時は最大年間8棟ほど建築していたというが、

現在ではあえて3~4棟しかやらない。


気に入らない客は取らない。 

美人な奥さんが大好きで、スーパーフランクな自己流で、お客さんをファンにしてしまう。

本当にAKBなどの撮影をしているカメラマンに依頼して、

お客さんの奥様の生活シーンを集めた写真集を製作中。

 

 

 

 

 

 奥様と こんなやり取りが許されてしまうのだから、まさにやりたい放題。 

100% 受注は口コミ紹介で2年先まで工事が決まっているという。

もともとは営業畑のようだが、

建築だけでなく、大工仕事まで身に付けてしまった。

職人気質の持ち主であります。



大平さんは廃業した建具屋さんから製造機械を買い受け、自分で作っている。
框戸もフラッシュも、何でも作れてしまう。

 

北海道全体は江戸時代以前の伝統がないために、左官屋や建具などの職人が非常に少ない。
北見でも建具屋が絶滅したらしく、家を作るのは既製品の建具を用いるしかない。
エバホームでは、キッチンも社長自ら作ってしまう。

徹底したオリジナル化で差別化ができていている。


 

他にも紹介し切れない独特な世界観があるが、
手掛ける件数が少ないことを逆手に取った、徹底したアフターメンテナンスと

身内のように面倒を見る男気のある対応で、

100%口コミ紹介でお客さんが勝手に生まれている状態である。

 

それと、そうとうに読書量をキープし、勉強している男だということは付け加えておきます。

エリア内の市場性が乏しいがゆえに、自らの均衡点を見出し、

とんがったマイクロ経営に特化している。
大平さんの生きざまを見てみると地域工務店の1つのあり方の見本のように思えた。


新潟に帰ってきたら 大平さんよりメッセージをもらった。

「少しでも、まともな家を建てる工務店増やしましょう!」

まさに私のミッション(使命)と同じである。 だから同じ匂いがするんだな。


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オーガニックスタジオの2018年、最大の目玉プロジェクト。
飯塚豊さん(i+i設計事務所)設計コラボの「グランドピアノのある家」が間もなくお披露目です。




詳しい内容は飯塚さんのブログを一部転載いたします。


庭がある程度広く、メインフロアにグランドピアノを配置することが決まっているので、1階リビングが自然です。
そこで、坂倉さんの飯箸邸のような非対称な切妻のボリューム構成を採用しました。(中略)

 

 


西側中央一階のリビングは、グランドピアノのある吹き抜け空間です。
平屋側の吹き抜けにピアノを置く構成はレ-モンドがカニングハム邸でやっています。

 

 

 

加えて、今回の計画では、コンサートホールのように、各階の様々な場所からピアノを眺められるようになっています。
ピアノ側から見た風景。勾配屋根の先にはトップライトを配置しました。教会のように様々方向から光が射す空間になっています。 

 

 

 

 


飯塚氏の著書「新米建築士の教科書」には「過去の優れた建築事例の蓄積」が必要だと書いてあります。
コラボでは、設計の理論が実践されてる様を目の当たりにできるわけだから、最も勉強になるのは我々でです。


主役のグランドピアノという強力な拠り所があったため、今はコンセプトにブレがありません。
圧倒的な存在感のあるピアノを中心に生かした空間であること。
そして、理想的な音を実現するための空間出ることが最大のテーマとなります。
住宅において物理的なコントロールすべき要素として、まずは「温度」のコントロール。
次に「湿度」のコントロール。最後に残る要素は「音」のコントロールです。



ピアノ特有の強い音を和らげるには、四角いボックスの空間だと、垂直面にぶつかった音が反射してしまい音が濁ります。
音楽ホールの設計のように、斜めの面を交差させることで良い音にさせてます。




天井の仕上は、西方設計の自宅の天井の仕上げのように、木の板を隙間を開けて張り、裏側にウッドファイバーが付加充填されており、吸音させる手法が目的に適います。

(もちろん天井の内側付加断熱も兼ねてます)

 


飯塚さんのイメージでは、木の素地のままでの木質感ではなく、色味を抑えた白い天井で神々しい光を狙っているのだろうか、木目を完全に塗りつぶさないレベルの白い塗装で仕上がってます。

さらに今回のプロジェクトでは、FBなどを活用し、ワイワイガヤガヤと、依頼主を含めてアイデアの交換を行ったことも現代的です。 

その中で飯塚さんの事務所のスタッフから、庭の設計に関してコンセプトにぴったりのデザイン案が提示されましたし、家具はお客様がかなり気合を入れて良いものをチョイスされております。

建築家の作品のための住宅ではなくて、民主的な集合知も備えた、

ベストな暮らしのためのデザインプロセスで進められました。 

そうした建築的な魅力だけでなく、この暑いシーズンであるから確認できる、
「高性能住宅は夏も凄く快適」であることを、完成内覧会で確認してみてください。

付加断熱200mm外壁に、樹脂トリプルサッシの高性能住宅は、

小型エアコン1台でどこまで 夏を快適にできるのか 来ないと分かりません。

前回コラボ(笹口の家)にひきつづき、日本の住宅関係者の注目を集めているこの住宅。
家づくりはここまでできるのだと、きっと驚くことでしょう。
お見逃しなく。

会場: 新潟市東区中野山 「中野山の家」
 (予約フォームでの申込み時に、地図が表示されます。ネット予約以外の方はご予約時にアクセスをご案内いたします。)


開催: 8月 5日 (日)   

予約受付時間帯 10:00~16:00 (close17:00)

【おねがい】 
小さいお子さまへの対応に手が回らないために、
おそれいりますが可能な限りはご家族などにお預けになってご来場ください。
また、施主様へお引渡まえの住宅につき、お連れになる場合でも抱きかかえるか手をつないいただくなどして、走り回ったり、壁にぶつかったりしないようにご注意をお願いします。

●内覧お申し込みの要領●  完全ご予約制です。
お電話025-201-6611または、予約ボタンの予約フォームからお申し込みください。
クービック予約システムから予約する
 


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西日本豪雨被害に遭われた方々と、

復興に向けてこの猛暑の中でボランティアなどで奮闘されている方々のご苦労を思うと心が痛みます。

お体に十分 お気を付けくださいますようお願い申し上げます。

 

 

H16年7月13日、新潟の県央エリアを襲った7・13水害の際、

当時、私が勤務していたエリアが大水害に見舞われ、8件のお客様家屋が床上浸水の被害に遭いました。

その際に、災害の1週間後に、オーナー様向けに送った報告のお手紙が、当時の災害の状況と、

今後の課題として参考になるのではないかと思い、ここで公開いたします。

 

緑色の文は現在での加筆です・

 

 

 

 

 

新潟県激甚水害のご報告

被害状況

県の中央部を襲った激甚水害は、弊社にて建築されたオーナーの家屋も飲み込み、

床下浸水による被害家屋は合計で8件に及びました。

内訳は、床上30cmの浸水が3世帯、他5世帯は床上60cmから100cmとなります。

中には入居後、わずか2ヶ月で、決壊した堤防より200mほどしか離れていないところで被災した方。

平屋なので逃げ場がなく、押入れの棚で三夜を過ごしたお年寄りの世帯。自衛隊に命からがら救助された方もいます。

また、水害時の保険に未加入の方もあり、今後の復旧における経済的なご負担も考えると、世帯ごとの被害状況は様々です。

お引渡し済みの家屋以外では、建築工事中の敷地内で大きな地崩れの発生が一件。

把握しているだけで、オーナーの方の工場や社屋の被害が二件浸水にのぼり甚大な被害が発生しました。

被災地はこれから衛生面の悪化による食中毒や漏電などの二次災害も考えられ、予断は許されません。

このように、被災された方々のご苦労とご心労をお察しすると言葉にもなりません。

我々をここまでの会社に育てていただいたのも、お客様のおかげでありますので、

今後の災害復旧のご面倒を通じて少しでもお役に立てるよう活動している最中であります。

 

今までの対応

7月13日 五十嵐川が三条市曲渕付近の南側堤防にて決壊。 

7月14日 一部社員が被害現場へバイクと徒歩にて偵察。曲渕付近まで到達して被害状況を確認。

                   本条寺・四日町付近は道路冠水のために近づけず。ご連絡の取れない状況。

                   (自衛隊、消防の人命救助活動のピーク)

7月15日 緊急対策本部設置。長岡・新潟より2部隊現地へ偵察。被災現場8件の状況を把握。

                   最も被害が甚大なI様邸の床下水抜き作業。

7月16日 本格支援活動開始。被災家族へ救援食料配布。お年寄り中心で片付けのできない2世帯へ、

そうじの手伝い9名派遣。全世帯の床下水抜き処理。電器工事技師の漏電検査の開始。

7月17日 本社より社長のEが被災状況を視察。給湯器の手配。そうじの続行。

7月18日 屋内消毒薬の配布。ほぼ緊急危険対策は終了。今後は本格的な家屋の復旧工事を行なう。

 

* 当時の会社の本社は山梨で、対策の指示はなかったが、一刻を急ぐ事態だと判断。

  私と一部社員の独断で支援活動を勝手に開始ししました。

 

お知らせ      (水害から学ぶこと)

新潟県は四季がはっきりしており、自然にも恵まれているために、自然は人間にとってやさしい存在であることは間違いありません。しかしそのことが「自然災害がない地域」であることではないということに気付かされました。事実、新潟県は過去十年で大規模な水害被害が3回発生している地域です。また、あの新潟地震から40年経過し、地震を引き起こすエネルギーが地盤に蓄えられていることでもあります。

つまり、こうした自然災害に対してどのように向き合うかを考えさせられた災害でした。

 

*まさか翌年に、中越地震が起きるとは知るすべもなかったことですが、預言となってしまいました。

 

1:過去からの智恵に学ぶ

三条市曲渕の堤防が決壊したところから1Kmほどしか離れていないところに住むオーナーの家屋は、床下20cmのところまでの浸水で済み、奇跡的に被害がなかったのです。200年ほど前より住み続ける農家の家屋であったので、この方の敷地は周囲より1m以上も小高くなっていました。今のような排水施設がしっかりしていなかった昔の人は、一時堤防が崩れるとどの付近まで水位が上昇するか知っていたために、そうした心配のないところに家を構えたのです。それが78年ぶりの水害になって、先人の智恵が子孫の被害を食い止める結果になりました。

新潟平野は一帯湿田で、小高いところに道を開き、その街道に沿うような形態で集落をつくりあげました。だから、古い街道沿いや古くからの神社のある付近は水害の難を免れることになったのです。

 

2:本質的なものの良し悪し

新潟県は四季を問わず多湿な風土なので、今も昔も木造が良いといわれていたこと。つまりは本物の木材は乾けば問題がないので、家の構造として軸組みを木造にしてきたことの重要性が、説得力のある形で明らかになりました。

また、決壊した堤防の間近の現場は、柱状改良工事をしていたおかげで、洪水の水流で基礎の下の地盤が1mほどの深さまでえぐれながらも、奇跡的に改良杭に支えられ家屋はそのままの状態で残りました。

その隣家は、改良工事をせずベタ基礎だけで対応したため、地盤がえぐられ、家屋は大きく傾いたまま2mほど流されてしまいました。

気候風土に適したものを、正しい施工で建築することの重要性が、当たり前のことですが明らかになりました。

 

3:なにをすれば良いか

起こるべくして起こる自然災害は、天の決めたことなので人間には避けようがありません。

出来る事は、その被害を最小限にするということにつきます。

まずは、被災した当初の生活を守るための備えをしっかりすること。つまり、AMラジオなどの防災用品を用意することや、被災した時の避難先をどのようにするかを家族で話し合うことは重要です。

そして、以前の暮らしを取り戻すためには、どのような保険に入っているかが重要です。たいていの火災保険には水害も保険の対象となりますが、あくまで火災を保険の対象としているために、今回のような水害の場合は、100万円程度のお見舞金程度しか支払われない方もいらっしゃいました。特に水害の可能性のある地域にお住まいの方は、今後も地球温暖化による海面水位の上昇や、異常気象による集中豪雨の増加が今後とも見込まれますので、「災害特約」に加入し直されることをご検討されてはいかがでしょうか。水害時には家屋をほぼ完全に復旧する程度の保険金が下りますので、より安心です。

これを機会に、ご自身の保険証書の内容をご確認されると良いでしょう。