酒づくりの必須な状態、確かに時代的背景も伴うが、「世に一つとして同じ酒はない」という、なんとも曖昧を含んだ真実に、私は目覚めて夢の愚を笑う。

三日前、果たして杞憂の器の空の部分には、私の戦の記念碑は魑魅の掌にあったのだろう。

秋田の芸術的な美しく綺麗な純米吟醸で覚醒された自身が、疎ましく醜い自身を自身が認識した時にそれは必然的に起こった。

丑三つ時、朦朧たる病んだ精神状態で片手に携帯、もう一つの反対側の手の平は自転車のハンドル、速度は遅すぎず、闇の中、車道を蹂躙無尽に走る私、中央車線付近で何故か横転、アスファルトからの殴打、脳震盪、闇のサラリーマンの大丈夫ですかという送信、大丈夫という反射的な私の返信、エラー、動けない身体、3メートル先のおもちゃのような携帯、走り去るはずの止まった車。

なんとか歩道まで自転車を従え這う、携帯を受け取る、電池は携帯に容れられない、脳の視覚野のせいで電池が膨らんでいた、苦笑して携帯と格闘、光のサラリーマンはいない、視覚野が治り、携帯は元に戻った。続く(笑)