ビール依存の学部を卒業するのには、きっちり四年かかりました。
かすかな悲しさを含んだ喜びの卒業には、最終の醜悪な試験が与えられました。

その試験とは、この三十代のアルコール中毒患者の人生において、最高級の喜びとなる「レイシック」!その術後の、最大級の苦しみとなる一週間の「禁酒」です。

振り返ると、あの切ない初恋を感じた悩ましい高二以来(事実初恋は高二)一週間酒を飲まないと いうことがありませんでした。

日々培われていくことになる、ビール依存と痛風という毒薬に蝕まれたこの四年の間に、私の南ア風な食生活は、朝の普通の食事と、夜はというと酒がほぼ中心点となるいびつな楕円を描いていたのです。