風を見た男 | NEO 海パンライダー日記

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中島フミアキ オフィシャルブログ

今日の東京は強風で、オイラのバイクのシートも飛んでいた。

まあ、風ってやつも「スカートめくれろ~~っ」と前を歩くミニスカートの後姿に念じれる位が良いわけで、あまり強すぎると危険だ。歩いていても物が飛んだり、お年寄りなら転んだりするからね。

でもね、あまり女性には実感がないかも知れないけど車やバイクの運転をしてるともの凄く恐いときがあるのだよな。

数年前だったか関西方面の弾き語りツアーの帰り、ライブ終了後、雨も強く嵐のような空模様の中を、
一刻もはやく東京に帰りたくて真夜中、東名高速を一人で車を飛ばした。天気予報では特別何も言っていなかったし。

しかし浜名湖あたりでは激しい雨で道路に水が溜まり、ワイパー全開、時速110キロくらいで走っていると(違反か?)時折車が浮いてすべっていた。(今無事だから良いけどホント危ないね)

だからなおさら早く東京に戻りたくて先を急いだ訳だけど、、で、東名の上り線の静岡あたりって右側が海で左側が山になっていて、季節は忘れてしまったけど、その海側から物凄い強風が吹いていて、まるで「忍者が葉隠れの術」をしているかのように風に飛ばされたものすごい数の落ち葉がトンネルのように前方に渦を巻いていた。車はときどき左右に斜線をブレていた。

その時、ド~~~ン!!!と車の右側のボディに腹の底まで響くような風のあたるどでかい音がしたかと思うと追い越し車線からいっきに走行車線に運ばれてしまった。人生で初めて聴く音だった。

前方を見ると物凄い勢いで流れる澄んだ川のような、透明なんだけど景色を歪ませるようなものが流れているのが見えた。「風だ!」。
木々が揺れるから分かるのでもなく、身体にあたるから分かるのでもなく、「風」そのものの姿をオレは見たのだった。

なんだか大袈裟に書いてしまったが、オレはあの時確かに「怒る風」の正体を見たのだ。

シビレル思いで東京に明け方たどり着き、その日の午後のニュースを見ていたら、
オレが通過したその時の静岡のそのあたりの瞬間風速が45メートルだった。
「そんなの聞いてないよぅぅぅ~~」
と天気予報を呪いつつ、「風速45メートルを乗りきった男」として自分で自分をほめたたえ、
同時に「風を見た男」として熱い緑茶を飲みながら、ホッとひと息ついたのだった。

風って恐い。