昨日は「競争戦略」やら難しいことを書いてしまいました。ビジネスマンはこういうことをちゃんと理解し実践で使えこなせないといけませんので、また記述するかもしれません。

 本日は少し笑えるお話を書きたいと思います。

 

 まだ京信深圳で働いていた頃です。冬の瀋陽に出張することになりました。瀋陽は東北三省である遼寧省の省都です。遼寧省には他に大連など有名な都市もあります。

 荻村は地方都市に出張した際、なるべく時間を見つけてその土地の著名な観光地などを散策することにしていました。後任の水谷と最初に北京へ同行した時も聞かれました。

 「荻村さん、あの有名な天安門広場はここ(北京事務所)から遠いのですか?」

 「すぐそこ。今地下鉄ができたので、2つか3つ目だ、今から行こう。パスポート持ってね」

 「え、仕事中に行ってよいのですか?社員に対し失礼になりませんか?」

 「行かない方が中国に失礼だ。ここまで来て天安門広場を見ないとは、『日本人は中国の歴史・文化には興味なく、稼ぐことしか考えてない』と思われるぞ」と毅然と答えます。

 

 その他にも成都に同行した際はパンダ研究所、西安に行ったときは兵馬俑を案内しました。

 「中国人に『行ってきた』と言ったら喜ぶぞ」

 

 さて、京信での瀋陽出張のときですが、週末自費で一泊して一人で瀋陽故宮へ行ったのです。故宮とは日本語では皇居です。

 しかし12月の瀋陽は寒すぎる!マイナス20℃です泣 寒い感覚を通り過ぎて痛いです。下の写真はその時の実写です。雪が凍り付いています。

 

 

 台湾の故宮は一番有名ですね。荻村は大好きで何度行ったか?数えきれません。

 瀋陽故宮は北京故宮と並び保存状態のよいことで有名です。

 観光ガイドが荻村に近づいてきました。

 「要不要导游?(ガイドいりませんか?)」

 中国語しかできないようですが、荻村は雇うことにしました。地方の観光地に旅行に行ったとき日本語可能なガイドを雇っても半分位何言っているか分かりません。中国語ガイドでも同じ位は分かるだろうと思っていました。

 

 故宮の入り口付近から観光ガイドは案内してくれます。

 「ここは清朝創立者ヌルハチの執務室である大政殿、こちらは二代目皇帝ホンタイジの○○です」

 「然后,这里是第一个太太的家,那里是第二个太太的家,旁边是第三个太太的家……」

 と説明を続けます。つまり

 「そして、こちらが一番目の奥方の家、あちらが二番目の奥方の家、その隣が三番目の奥方の家……」という意味となります。

 ここまで聞いて荻村はちょっと待ったとばかり質問します。

 「一体何人奥さんがいたんだ?」

 (え、知らないのですか?)と一瞬目を見開きました。

 「ここには地位の高い奥様5人ですが、正妻は全部で15名、側室を入れると2千人ですよ」

 平気で言います。

 「哎呀!非常羡慕中国的皇帝!!(えー!中国の皇帝は何て羨ましいんだ!!)」

荻村は驚愕の顔をして中国語で叫びます。芝居ですけど。

 観光ガイドはまた一瞬目を見開きますが、すぐ腹を抱えて笑い出し止まりません。

 

 実は荻村は中国人を笑わせるコツを掴んでいます。仕事は厳格で不正にも命懸けで挑みましたが、こういう中国受けするジョークを真面目な顔して中国語で飛ばすところが結構人気あったようです。

 写真は瀋陽故宮内の鳳凰楼といって後宮(大奥)の入り口です。

 

 

 これ以来荻村は中国系の店に飲みに行ったときに必ずこういう会話をするようになりました。

 

 日本に帰ってきた時も友人らが気を利かせて中国人が働いているスナックに連れて行ってくれます。そこで中国語会話したり中国語の歌を唄います。

 お世辞もあるでしょうがママが必ずこう言います。

 

 「あら、中国語上手ねー!あなた絶対中国人の彼女いるねー!笑」

 

 「对啊,应该的。我有两千个中国的女朋友(そうだよ、当たり前だろ。俺は中国人の彼女が2千人もいるんだ)」 

 

 真面目顔で平然と答えます。

 

 「有两千个?!(2千人?!)」

 

 「是的,跟中国的皇帝一样(そうさ、中国の皇帝と一緒さ)」

 

 「怎么知道?中国通!(よく知ってるね-、中国通!)」

 

 中国語会話なので一緒に飲んでいる友人は聞き取れません。ママが嬉しそうに友人に説明します。

 

 「この人、中国人の彼女2千人もいるんだって!笑笑」

 

 更に続けます。

 

 「但是不太好(だけどあんまりよくないね)」

 

 「为什么?(なんで?)」

 

 「我已经老了。累死了!(俺はもう歳だ。疲れて死にそうだ!)」

 

 ママはまた涙をこぼして笑い転げます。こういうの好きなんです。友人はママが何で笑いこけているのか分かりません。

 

 まだまだ笑わせた話はストックがあります。

 忘年会の挨拶とか結婚式での主賓のスピーチとか、追々とご紹介いたします。中国駐在員は参考になさってください。

 「中国人を中国語で笑わせる」 好かれる極意です!いわゆる中国通です。

 

 ではまたお目にかかりましょう。再見!