私からあなたに送る、これが最初の手紙になります。


私の年齢も名前も、性別さえもあなたは知りません。


私も、あなたの事をなに一つ知りません。


もしかしたら、街のどこかですれ違ったこともあるのかもしれませんが、それにしても、


私もあなたも、お互いにお互いを知らない事は確かなのです。


そんな知らない人に、送る手紙だから、もしかしたら、あなたの心を傷つけてしまったり、気分を害してしまうかもしれません。


それが私のただ一つの恐れです。



でも、私はあなたに手紙を送ることにしました。


今、あなたにとって私が必要な気がしてならないのです。


私は年のわりには、言葉足らずで、日本語もろくに知らない人間ですが、


あなたに、私の言葉を伝えたい熱意だけは、本物だと思います。


私はあなたにこれからたくさんの手紙を書くつもりでいますが、最後までお付き合いしていただけたら幸いです。


長たらしい挨拶はこの辺で終わりにして、さっそく、話をはじめましょう。





「あなたの夢はなんですか?」




夢・・・、とても単純な様で、奥が深い言葉です。


幼児のころは皆、パイロットになりたい、ケーキ屋さんになりたいと、答えていたはずですが、


さて、今の世の中、何割の人間が自分の夢を堂々はっきり言うことができるのでしょうか。


私も答えることができず、この質問は何年も私を苦しめました。

私の夢、私は将来つきたい職業もなかったし、とくに何をしたいという希望もありませんでした。


そして、自分の夢を平然と語ることのできる、友人たちをとても羨ましく思っていました。


夢がない自分に嫌気が指す日々もありました。


だから、私はこの質問が嫌いでした。



つづく・・・。