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  銀時×桂「トライアングル2」~13~(2幕 第6話)です
 
 
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                  「トライアングル2」~13~
 
 
 
 
季節は春へ移ろうとしていた。
桜の木がピンク色の蕾をつけ、街の中がほんのりと桃色に色づいたように感じられる。
気温も上がり出し、暖かい南風が心地いい季節。
 
一年で、一番美しい日本の春の季節がそこまで来ていた頃、久しぶりに坂本が桂を訪れた。
 
「思ったより、元気そうで良かったぜよ。心配しちょったきにのう」
「うん、最近こうして、起き上がれるようになってきて・・・ツワリも少しづつ治まってきて、ご飯も色々と食べれるようになってきたんだ。でも、味はわからないままだがな。あんなに好物だった蕎麦も、美味しいと思えなくなってな」
「ツワリは、好みが変わると言うきにのう」
「うん、そうらしい。早く蕎麦を、旨いと味わって食べれるようになりたいよ」
「もうすぐぜよ。今、何ヶ月じゃ?」
「5ヶ月になる」
「ほんにもうすぐじゃのう。そうそ、双子じゃったそうじゃのう。ちっこいのが二人もこん中におるとは、嘘みたいぜよ。腹も、もっとでかくなっちょると思うちょったが、意外に膨らんでおらんのう」
「そうなんだ。小さいって、医者も言ってる。でも、子供は二人とも元気に育ってるそうだから、問題ないらしい」
 
と、月数にしては小さな膨らみのお腹に手を当てた。
その横顔が落ち着いていて、柔らかい雰囲気を漂わせているのに、坂本はホッと息をつく思いだった。
 
数ヶ月前、蹂躙されて、堪えきれず泣いていた桂を見ていたから。
 
高杉の子と承知の上で産むと決意したその潔さの奥底に、きっと多大な不安があっただろう。桂に、そんな辛い決断をさせてしまった一端は、自分にもある。
ずっと後悔して、心配していたから、今の桂の気持ちが凪いでいる様子は、坂本にとって、多少であるけれど、救われる思いだった。
 
「そうじゃ、金時がわしに嬉しそうに報告しちょったが、おまんら、結婚するそうじゃのう」
 
桂は、クスッ、と笑んで「あぁ、結局掴まってしまったよ」と、幸せそうに言った。
 
「えぇことじゃき。こりゃあ、盛大なお祝いを贈らんといけんのう」
「何を言う。出産費用まで負担してくれて・・・お前にこれ以上貰うわけにいかん。もう、充分だよ。それより、式に出て貰うわけにいかんか?」
「病院代は、わしにも責任あるき、当然じゃ。せめて、それくらいはさせて貰わんと。 だから、気にしてくれんでえぇ。お祝いは別じゃ。で、式はいつじゃ?」
「一ヵ月後、身内だけで、お登勢殿の店でやることにしたんだ」
「そうかぁ。暫くは地球で商売しちょるき、出席させてもらうぜよ。よろしゅうな」
「本当か、良かった。こっちこそ、よろしく頼む」
「おまんの白無垢、きれいじゃろうなぁ」
「誰がそんなの着るっつった!バカ!普通に袴だ!」
「え、何でぇ!?もったいないのう。おまんなら絶対似合うじゃろう」
「俺は男だ。似合うとかそういう問題じゃない。ただでさえ、今、胸が膨らんでて気色悪い思いしてるってのに、こんなんで女装なんて、益々洒落にならなくて、自己嫌悪で落ち込みそうだ」
「そんなに膨らまないって言ってたのに、そない大きくなっちゅうがか?」
 
興味津々といった顔をする坂本。
 
「医者に、腹は大きくならんけど、胸は結構膨らんでるねって笑われた・・・」
 
顔を赤くして、憮然とした顔をする桂が可愛くて、坂本も思わず吹いてしまった。
 
「笑い事じゃない。乳腺が張りまくって、痛いなんてもんじゃないんだ。どれだけ辛いと思ってるんだ。何か、痛みを緩和させる、いい方法ないか?お前なら何か知ってそうだ」
「緩和のう。・・・おう、そうじゃ。蒸しタオルでマッサージとかするといいって聞いたことあるき。やってみたらどうじゃ?」
「マッサージ?どんな風にやるんだ?」
「なんかのう、こうやってぇ・・・」と、両手で胸を揉む仕草をする坂本。
「何だか、よくわからんな。お前、出来るならやってくれんか」
 
ブッと、思わず吹き出した。
冗談ではなく、本気で言ってるあたりが、桂だ、と思う。
 
「おまん、何言うちょるかぁ」
「何が」
「わしがそないなことするわけいかんき」
「何でだ?」
「あのな、おまん、一応、人妻になるんじゃ。貞操は守らんといかんき」
「は?何を言ってる。男同士だろ?何、照れてるんだ、気色悪い」
「いや、そうじゃなくてな。おまんにはダンナさんがおっての、一応、男であっても、おまんは人妻で、おまんの身体の所有権は金時にあっての・・・」
「エリー、エリー、いないか、そこに」
「こら、わしの話をきかんか!」
「ごちゃごちゃと、もういいじゃないか、そんなことは」
「いや、殺されるのわしじゃから!」
 
と、言っていると、エリザベスがホカホカの蒸しタオルを持って入ってきた。
 
「はやっ!!」その仕事の早さに怯む坂本。
「話、聞こえていたのか。お前の仕事は早くて助かる。ありがとう、エリー」と、満足そうな桂。
【桂さんが求めていること、聞かなくてもわかりますから。こんなの当然です。それに、そろそろあの阿呆の坂田も来る頃ですし、何か楽しくなりそうなんで急いで用意しました】
「ひと悶着あるって、確信してるんかい、おまん!」
【もちろん。あの銀髪の阿呆ヅラ拝めそうで楽しみなんですから、さ、早く桂さんにマッサージをしてあげてください】
「いやいやいや、そこ違う!止めるとこじゃき!」
「もう、早くしてくれ、坂本。本当に痛くてたまらないんだ。少しでも楽になれるんなら藁にもすがるぞ、俺は」
「俺は藁か・・・って、お前、いきなり脱ぐって・・・!」
 
坂本がゴチャゴチャと抵抗している間に、桂は襦袢の上を肌蹴、膨らんだ胸を惜しげなく晒した。
 
坂本の頬が、思わず赤くなり、言葉に詰まった。
 
白い肌は相変わらずだが、平坦だった胸には、手に膨らみを持たせた程度の起伏が起こり、胸の先端はピン、と上を向いて尖っていた。
美乳、とも言えるし、微乳ともいえるし。
 
いずれにしても、その形は、思春期の少女の膨らみのようで、いけないものを見ている気分にさせてくれていた。
それに、何と言っても、桂のこの中性的な美貌。
男なのに、胸があっても違和感まったくなし。
 
(ヤバイ、こいつ、ホントにこんな無防備で、ヤバイ)
 
坂本の心配など意にも介さず、自ら横になって、坂本に「早く」と促していた。
 
【早くしてあげてください。桂さん、風邪ひいちゃいます。折角の蒸しタオルだって冷めちゃうじゃないですか】
 
エリーは、完璧、面白がっている。
坂本は、半ば(もう、どないにでもなれ!)と、ヤケクソな気持ちで、桂の胸にソッと蒸しタオルを置いた。
 
「痛かったら、言うちょくれの」
「ん、頼む」
 
(ようし、いくぞ!)と、覚悟を決め、胸を持ち上げるように、優しくマッサージを始めた。
だが、思わず欲情してしまいそうだ、という桂の預かり知らぬ所の危惧は、胸を持った瞬間、坂本から消え去った。
その膨らみに柔らかい肉感はなかったからだ。
 
「こりゃあ、まるで石みたいじゃのう・・・ガチガチじゃあ・・・」
「凄いだろう?張ってて・・・本当に痛くてたまらないんだ・・・」
 
辛そうな桂の気持ちがようやくわかった。藁にもすがりたいと言うのがよくわかる。
 
「これじゃあ辛いのう。少しでも楽になるとえぇんじゃが・・・」と、本腰を入れて、少しでも楽になるようにと、マッサージを始めた。
 
 
「ヅラ、坂本来てるか?」
 
暫くして、ガラッと縁側の障子を開けて入ってきたのは銀時。
目に入ってきた光景に唖然。
坂本が桂にまたがり、胸を揉んでいる。
 
「銀時か、今、坂本に・・・」
 
桂が説明しようとするより早く、銀時は怒りに任せて「ウガァァァァァッ(怒)」と、坂本を投げ飛ばしていた。
 
そんな銀時の反応に、陰で「プッ」と吹く、エリーだった。
 
 
 
深夜に差し掛かる頃。
 
坂本が帰ってから一言も口をきかない銀時に、桂は声をかけた。
隣に敷いた布団で寝ている銀時は、背中を向けている。
 
「銀時・・・起きてるんだろう?まだ、怒ってるのか?理由は話したろ。大概、しつこいぞ・・・?」
 
だが、銀時は答えない。
坂本にマッサージを頼んだことが、余程腹立たしかったらしい。
 
そんなに怒らなくてもいいのでは、と思う。全く縁の薄い人間ならわからんでもないが、坂本は、旧知の友で、戦時は皆で裸の付き合いも当然してた仲なんだし。
でも、銀時にはそうではないらしい。
もう、桂は銀時の「妻」で、夫である銀時以外の男に触れさせたことが、どうしても許せなかったらしい。
 
(妻かぁ・・・)
 
自覚が足りなかったなと、桂も多少、反省しないでもないが。
 
でも、それ以前に、自分は男で、坂本は友達だし、問題なかろう、という反論する気持ちもある。こんな、一方的に不機嫌な態度をぶつけられてても、埒が開かない。
きちんと、話をしようと、ずっと試みているのだが、風呂に入るにも、食事をするにも、ずっと黙ったままで、目すら合わせようとしてこなかった。
 
今も、さっきから声を掛けているのに、ガン無視。
具合が悪いのを堪えながらだというのに、いい加減にして欲しかった。
 
「銀時、なぁ、銀時・・・」
「・・・せぇよ、黙って寝ろよ」
「え?」
「煩せぇって言ったんだよ。俺、明日仕事で早いんだ」
「煩いって、何だ、それ。俺だって、具合が悪いの我慢して、こうして話をしようと頑張ってるのに、お前のその態度、何なんだ!」
「具合悪いんなら、寝ればいいだろ」
「銀時!ちゃんと何を怒っているか、言え!勝手に一方的にそんな態度とられたら、気になって寝れんわ!」
「言わなくてもわかんだろ」
「そんなに怒ることか?坂本にマッサージして貰ってただけじゃないか。俺がどれだけ胸が痛くて辛い思いしてるか、わかんないのか!」
 
「だったら、俺に言え!!」
 
いきなり起き上がると、銀時は桂に向かって本気で怒鳴り散らした。
その剣幕に、一瞬、怯む。が、何でそこまで怒るのか納得出来ない。
 
「・・・んで・・・何で・・・そんなに怒るんだ、お前・・・」
「怒るだろ!!俺だって触りてぇの我慢してんのに、お前ってばよ、坂本に揉ませやがって!!俺以外の男に触らせてんじゃねぇよ!!お前は無神経すぎる!!無防備すぎる!!俺が独占欲強いの、知ってっだろ!なのに、あんなとこ見せ付けられてみ!!たまらんわ!!そりゃキれるっつうの!!って、ここまで言わなきゃわかんねぇのかよ!!バカヤロォがっ!!」
 
一気に捲くし立てられ、桂は何も言えず、黙って聞くしかなかった。
 
「黙ってないで何か言ってみろよ!何か反論したいんだろ!!でもな、俺、怒るの当然だと思ってるからな!!」
「いや・・・わかった・・・ていうか、要はあれか。お前も触りたいってことか?」
 
図星とはいえ、何だか随分と情けない理由で怒っていたのかと、冷静に考えればケツの穴の小さい男の嫉妬ってヤツで、自分で情けなくなった。
途端に、怒りもクールダウンし始める。
 
「い、いや、うん・・・そう・・・ていうか、違う、そんなんじゃ・・・でも、うん、そうかな・・・」
 
バツが悪そうに、しどろもどろした。
 
「いいぞ・・・」と、桂は前帯を解き、小さく膨らんだ形のいい胸を銀時に晒した。
「でも、本当に痛いんだ。だから、ソッとな」
「ヅラ・・・」
 
眼下の桂の妖艶な姿。銀時の喉が、ゴクッ、と小さく鳴った。
 
「ほら・・・」
 
銀時の後頭部にソッと手を添え、ゆっくりと、胸へと引き寄せた。
たまらずに、銀時はその先端を口に含んだ。
舌で触れ、そこに何度も口付ける。
こうなってくると、もう、止まらない。
ずっと我慢し、押さえ込んでいた、桂を抱きたい、という衝動が大きくなり、行為はどんどんエスカレートしていっていた。
足の間に割って入り、唇に、首に、そして、胸に、キスを何度も繰り返し、触れまわる手は、桂の下腹部にまで及んでいた。
そこを刺激される度、子宮に痛みが走る。
刺激を与えることは、極力控えるようにと言われているのを、当然、銀時もわかっているのだろうが、ずっと押さえ込んでいた欲求を、押さえ込むことが出来ないでいるのだろう。
 
「銀時・・・もう・・・これ以上は・・・」
 
何とか落ち着いて貰おうと、背中を優しく擦って宥めるのだが、行為を止めてくれる様子はなかった。
それだけじゃなく。
 
「ぎ・・・ん時・・・痛い・・・」
 
興奮しているのか、胸への接触が段々激しくなってきていた。
舐めまわす舌の動きが激しく、這わされる手の動きも力が入ってきて、その刺激が、子宮に響く。
 
「銀時、もう、これ以上はマズイ・・・また、腹が痛くなるから・・・これまでだ、銀時・・・」
「わかってる・・・もう少しだけ・・・な?いいだろ・・・?」
 
行為をやめそうにない銀時。
 
「ダメだって・・・もうやめてくれ、本当に・・・これ以上はマズイって・・・あっ・・・!!」
 
胸を両手で触られ、桂が苦痛から声を上げた。
でも、銀時は気付いていない。優しくしているつもりでいるからなのだが、ほんの少しの接触でも激痛が起きる状態では、こんな風にしっかり掴まれたら、気を失いそうになる程の痛みが起きる。その衝撃から、お腹が張り始めるのを感じていた。
 
「銀時、痛い、痛い、やめてくれ!痛いって!!」
 
必死で訴えられても、それが桂の本心からの言葉とは気付けなかった。
夢中で胸に口付ける。
 
「銀時!もうやめろ!!赤子を殺す気か!!」
 
この言葉に、やっと我に返った。気付けば、桂の目に涙が溜まっていた。
頬を紅潮させ、苦しかったのだろう、息も上がっていた。
どれだけの苦痛を感じていたか、銀時はようやく思いやることが出来た。
 
「ゴメン・・・」
 
申し訳ない、と、心から思った。
頬にソッと手を添えると、桂が慰めるようにその手を取ってくれた。
 
「落ち着いたか、バカ者が・・・」
 
涙声でそう言うと、優しく笑んでくれた。
責める言葉は一切言わず、ただ、黙って許してくれた、桂の優しさ。
思えば、自分はいつもこの優しさに甘えるばかりだ。
たまらなくなって、ギュッと抱き締めた。
 
「もう、しない・・・ホント、すまん・・・」
「俺じゃなくて、仔銀ズに謝れ」
「ほんと、そうだな。すまん、バカな父ちゃんで!ゴメンな!仔銀ズ。ビックリさせて、ゴメン!」
 
お腹に何度も愛しそうにキスをする銀時の頭を、桂が愛しそうに優しく撫でてあげていた。
 
 
   「トライアングル2」~14~(第7話)に続く
 
 
ヅラくんの乳腺の激しい痛みは、この薬で急激に身体を変えるせいであるという
若干のフィクションであります・・・
 
でも、実際、張ったら痛いけどね^^;
 
ウチの息子、男なんだけど、第二次成長でホルモンバランス崩れて起きる
胸の成長で、(胸が)痛い、痛い、言ってました^^;
ちょっと膨らんだね、あの時は。一時だったけどね。わりとあることらしいですよ。
 
そんなこと思い出しながら書いてました( ´艸`)
 
書きたかったのは、ヅラくんの優しいとこ!
 
ホント、銀ちゃん、いい嫁貰ったねぇ(゚ーÅ)
 
次回、久々、高杉さん出ます^^
 
杉様も結局は優しいのよ・・・そんな話です^^
 
それにしても、ヅラくんの胸、美乳なんだろな~(♡ >ω< ♡)