初読。高校のころ一番好きだった小説家は三島由紀夫だった。いや安部公房だったか。まあそれはともかく、当時は他の小説家もそうだが、数はたくさん読んでいない。東西の小説家をできるだけまんべんなく読んでいたということか。もう忘れたが^^
印象に残っているのは「金閣寺」と豊饒の海の第1部「春の雪」、あとはドナルド・キーンや安部公房や寺山修司や石原慎太郎等との対談、「文章読本」くらいか。「金閣寺」は確か40代のころに再読したが、高校の時の印象が大人の絢爛豪華でそれがある意味過剰で笑える描写だったところがツボにはまったのに対して、40代での印象は又吉直樹の「火花」と同じくらいに純粋な青春小説を感じたものだった。要するに全く違う印象だったわけだ。
「春の雪」。若者だけが美しいという高校当時の印象。2部「奔馬」は一本調子、3部「暁の寺」は説明調でつまらなかった印象があるし、最終4部の「天人五衰」に至っては「老人は醜い」に尽きる印象。「春の雪」で輝いていた登場人物たちがとにかく醜く落ちぶれる印象がある。
という印象があっての今回の初読「禁色」。40数年ぶりに三島由紀夫に会いに来た感じだ^^
しかしながら。3分の2程度までは入っていけなくてなかなか進まず、結局読み終わるまでに1か月以上かかったが、残りの3分の1はまずまず読めた。描写が非常にうまいと感じるところ(康子の出産立ち合いなど)、と難解で何を言っているのかさっぱりわからない部分があるところなど、なにか三島特有の懐かしいものを感じた。
読後の印象は結構はっきりしている。やはり若者は美しく、老人は醜いという一言。自分が年を取ってきてよく思うことだが、それが事実だとしても「それを言っちゃ~おしめ~よ」と言いたくなるんだが、どうなのかねぇ。
それにしても、三島も古典の類に入ってきた感じが非常にした。高校当時はそうは思わなかったから、40数年というのはやはり結構な歳月ということになるのかな。
合掌。