島根デリヘル事件 最終回
何度も煽ってみたが、男達が部屋に来る気配はなかった。議論は平行線のまま40分が経っていた。さすがに気の毒になり女を椅子に座らせた。シェイシェイと言うのを期待したが女はカタコトで「アリガトウ」と言った。男「早くプレイしろや!!」業を煮やした男が再び声を荒げる。だんだん今日のこの悲劇の一連が明確に思い浮かんでくる。その思いが充満し、僕はこの日1番の大声を男にぶつけた。僕「おれ今日出雲大社行ったんだぞ!!」男「知らねーよ!じゃあもういい!半額、9000円でいいから払えよ!!」県政の全てを出雲大社に頼る島根県民の急所を突いたがどうかは知らないが相手は半額でどうかと急に打診してきた。大きな進歩だ。僕「もう一声!!」男「できない」僕「初めて島根に来てわくわくだったのに散々だよ!わかった、来てはもらってるんだから交通費だけ払うよ、3000円払うからもういいでしょ!」男「へぇぇ〜」僕「ん?」男「おいおい、早く払えよ、木本ぉ!!!」本名がばれた!!なぜだ!!さすがに僕は大きく動揺した。男は畳み掛けるように言う男「芸能活動もしてんのかぁ、いいのかぁぁ」僕は言葉を失う。ハッと気づいた。LINEの電話番号検索だ!設定が初期のままであり、誰でも電話番号から僕のLINEを検索できるようになっている。脇が甘かった。LINEには僕のsnsのurlも載せており、全てがバレてしまった。まずい!ん、まずいか?細々俳優活動をやっているといえど僕の役所は、最近だけで言ってもパパ活おじさん、キャミソール斧男、悪徳清掃業者、クレーマー、人形を愛でる男ばれたとて何だ。僕は芸人上がりNG無し三枚目大クセ俳優だ別にこの件を相手がどう使おうが仕事に影響が出る気がしない。僕の声が向こうからかすかに聞こえてくる、僕のsnsを男たちが見ている様だ。僕「どう?面白い?せっかくだし応援してくれよ」男たち「…」するかよ!等のことを言ってくるのかと思ったが相手は何も答えなかった。その代わりに子分のひそめるような笑い声が聞こえた。しかし、本名もバレ仕事もバレ島根の雑魚半グレといえど、9000円程度で遺恨を残すのは得策だとは思わなかった。僕は支払うことに決めた。僕「もういい、払うよ9000円なぁ!」男「おう」僕「いい経験させてもらったわ!俺の活動なんとなく分かりましたよね、せっかくなんで形にさせてもらうわぁ!」そう言い放ち僕は電話を切った。財布を見ると一万円札しか入っておらず女にお釣りはあるか尋ねる。女「アルヨ」1万円札を渡し1000円札を貰う際僕は皮肉まじりに「シェイシェイ」と言ってみる。女は僅かに微笑み、透明のジップロックのようなものに一万円札を納め、部屋を出て行く。ドアが閉まり切る直前に女はこう言った。女「シェイシェイ」島根デリヘル事件 完あとがき出雲大社は縁結びに効果がある神社だそうだ。縁結びと言えば恋愛や結婚が真っ先に思い浮かぶが、仕事上で良縁に恵まれる手助けをしてくれると捉えることもできる。僕は兼ねてより、文章を作り人の心を動かす仕事をしたいと思っていた。脚本家、作家、ライターなど肩書きは何でもいいのだが、胸に秘める思いがあった。出雲大社で参拝中、何故かこの思いが巡り続け、ブログ内での事件後、その思いが爆発した。以前、林真理子/著「野心のすすめ」を読んだ際作家とは身を切る仕事だと書かれおり僕はこの言葉にひどく感銘を受けた。他人の評価を恐れず、自分の考えや経験をどこまでも純度高く、赤裸々に文章に乗せぶつけていく様があまりにかっこよく、潔く感じ憧れた。その思いを胸に今回やや躊躇する内容ではあったが思い切って書いてみることにした。僕は「書く」ことを仕事にしたい。自らの角度で自らの感度で、人の心をぶん殴れるものを作りたい。本日よりプロの脚本家を多数産んだ、半年間のシナリオ講座を受ける。オリジナルストーリーを作り、来年にでも舞台を作るつもりだ。映像作品の脚本もすでに何本か勝手に書いている。絶対に形にするつもりだ。そして、ここまで読んでいただいた有識者の方々に一つ問いたい。もしも僕に、何か少しでもお力になれることがありましたら何でもいいので作家としてのお仕事をいただけないでしょうか。ジャンルは問いません。真心込めて何でもやります。魂込めて何でも書きます。譲れない事は一つギャラは9000円からでお願いします。