月まで三キロ
By Shin Iyohara

ワシントン大学から取り寄せた
新田次郎文学賞受賞作





\伊与原新さん、初読み/

前から気になっていた作品。東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻した理系博士作家ならではの専門知識がストーリーに織り込まれた短編集。過去や現在に様々な事情を抱えた登場人物たちが科学に詳しい人との出会いをきっかけに進むべき道を模索していく希望溢れるお話です。専門用語が分かりやすく説明されてあるので堅苦しくなく理系が苦手な方にもおすすめです。中でもギター好き、登山好きの方には特に響く作品でもあるかと思います。将来、娘や息子におすすめしたい作品だなと思いました。東野圭吾さんのように理系のバックグラウンドを持つ作家さんの作品は大変興味深く、その独特な世界観に引き込まれます。本作はシアトルのワシントン大学から取り寄せたのですが、理系に強い大学でもあるので納得です。