NOTES ON AN EXECUTION
By Danya Kukafka

エドガー賞最優秀長篇賞受賞作





死刑執行まで残り12時間となった連続殺人犯アンセルと、アンセルの人生に関わりのあった女性たちの物語。アンセルの生い立ち、彼に翻弄されて過酷な運命を辿った女性たち、一体何が起きて今に至ったのか、アンセルの46年の人生が少しずつ浮き彫りになっていく回想録のようなサスペンスです。まず初めに驚いたのはアンセルの語りが終始「あなた」の二人称であること。これには違和感がありましたが、著者の意図を考えると分からなくもありません。きっと読者自身に向けた呼びかけなのでしょう。ところどころモヤモヤしてしまうシーンがありましたが、善と悪の境界について深々と考えさせられました。因みに、DV、幼児虐待、動物虐待など、それなりにヘビーで暗いお話なので要注意。読む人を選ぶ作品だと思います。