黄色い家
By Mieko Kawakami

\\2024年本屋大賞ノミネート作品//

ワシントン州シアトルの
図書館から取り寄せました郵便局





芥川賞作家である川上未映子さんが初めて挑んだ1990年代が舞台のクライム・サスペンス。兎に角、余韻が凄まじい。読了後は呆然としてしまい暫く立てなかったほどです。読めば読むほど重苦しくなっていく物語ですが、どこか映画を観ているようなリアリティ感溢れる描写に読む手が止まらなかった大作。かなり読み応えがあります。人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか。怖いのはお金ではなく、歪んで発狂していく人間であり、実際この様な人たちが本当にいそうで、それを考えるだけでも複雑な気持ちに苛まれてしまいます。600ページの長篇であることを忘れてしまうほどあっという間に読み終えましたが、読者によっては好みが分かれそうな作品かなとも思うので要注意。重く悲惨な設定であり、ほんわか甘いお話ではないので、読者を選ぶ作品かと強く感じます。個人的には本屋大賞を受賞してほしい気持ちでありますが、どうなるでしょう。4月の発表を楽しみに待ちたいと思います。