「もらえるものがもらえないのは、つらい。天皇賜杯、何とかならないんですか。相撲を国技たらしめているものなのに」。優勝した横綱の心にすきま風が吹いた。24日、愛知県体育館であった大相撲名古屋場所14日目で、3場所連続15回目の幕内優勝を46連勝で決めた横綱・白鵬関(25)。支度部屋で喜んだのもつかの間、口をついて出たのは偉業への達成感ではなく、角界混乱のあおりで抱くことのできない賜杯へのこだわりだった。
優勝回数で輪島、そして連勝記録でも大鵬と、尊敬する横綱を超え「重い(記録)ですよね」と話した。区切りを迎えた精神状態を問われ、伏し目がちに「非常に良かったです」と心にもない言葉を吐いた後、自ら「いいわけないでしょ」と否定した。「もらえるものがもらえないんですから」
横綱の心の叫び、いや力士全員の総意だった。場所前にも優勝力士への表彰式自粛に「国技をつぶす気なのか」と発言し物議を醸したが、賜杯を抱く身となって、その思いが再燃した。「何回優勝しても(賜杯がもらえない今回は)変な気持ちになるのに、もし初優勝ならどんな気持ちになるのか。みんなの努力を考えると、寂しい」。思いを抑えきれなくなって一気に語った。
重苦しさを引きずりながらの帰り道。沿道で待ちかまえた大勢のファンの姿に、少しの笑みがのぞいた。「一番うれしいのは応援してくれる人がいること」(24日23時13分付、毎日新聞『大相撲 白鵬V「賜杯なくつらい」 ファンの応援に笑みも』より抜粋)
初日から14戦全勝で幕内優勝はしましたが、心中は本当に複雑ですね。でも賜杯をもらえないショックが明日の相撲に影響しなければいいのですが・・・。とにかく集中できるかですね。
でも場所後に賜杯は手にできますよ。刻印される以上は。そこまで心配することはないと思うのですが・・・。