銀色の電車が止まる駅で
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青いユニフォーム⑥

その分、幸はうらやましかった。鎌倉時代から代々伝わる寺の息子で、高校を卒業したら修行に入るらしく、今をエンジョイしてる感じがして、僕とは正反対だ。幸の寺にはビートルズ好きの住職、幸パパがいて自慢のエレキギターで、遊んでいる幸と僕を呼んでありがたい説法を説いてくれた。その影響もあってか、幸と僕はどっぷり音楽に魅了された。幸はギターで、僕はベース。曲はビートルズ。寺の奥にある使用しなくなった物置が二人の練習場所で、周辺機具は幸パパが揃えたものだ。そこで毎晩、大音量で指が痛くなるまで二人で演奏していた。

青いユニフォーム⑤

進路って今まで学生だったのに、急に大人になりなさい!!飛び立ちなさい!!って言ってる気がして嫌だった。まだ遊びたいし、まだ好きな子に告白だってしてない。だから、真剣に考えなさいって言われても僕には無理だ。島に大学があれば、最高だけど残念ながら高校までしかない。なので、しょうがなく島を出て頑張ろうって思ったけど、大学は諦めたから就職しかないと思うと少し残念な気がする。就職を考えても、何が向いてるのだろう。バイトはした事ないし、仕事に付いて一年で辞めましたなんて、あまりに情けない。進路は子どもの僕には難しい問題だ。

青いユニフォーム④

幸とは幼なじみで、家が近所だったのもあり、いつも行動を共にしていた。生徒会やクラス委員などいつも二人。なので、あいつは嫁みたいな存在。男だけどね。「今日どうしたよ。ヤンジャン発売日なのに。本屋に寄らないなんて珍しいな。」帰り道、幸はiPodをいじりながら言った。「…気分が乗らなかったんだよ。」「え!?何か言った?」「ビートルズが耳から俺に助けを呼んでるよ!!」 幸からiPodを取り上げ、ヘッドホンを僕の耳に装着した。そこでは、脳を揺さぶるメロディーとビートルズが大声で助けを呼んでいた。助けてくれ…。今の僕も言いたかった。