おれっちんぱんじーがこれまで読んだ中で、最も衝撃を受けた文学作品は太宰治の«斜陽»です。
夜通しで読みましたが、読み終わった後何に対してか怖くなり眠れなくなった記憶があります。
この作品は敗戦後の日本を舞台に没落する華族を描いていますが、読んだ当時のバブル崩壊後の日本で没落する中流階級として自らを重ねたのかもしれません。


«晩年»から«グッド⋅バイ»まで多くの作品を読みましたが、太宰治という作家に出会えたことを心からうれしく思いました。
当時のおれっちんぱんじーであればお気に入りの作品をあげるのに、両手では足りなかったと思います。

時が経ち、おれっちんぱんじーも生活のために働きだし、気付けば太宰治より長く生きています。
そんな今また少しずつ読み返していますが、学生時代に受けた刺激がなんだったんだろう?という位、淡々と読み流しています。
今お気に入り作品をあげるとすると、«斜陽»と«富嶽百景»です。

今回、山梨県の天下茶屋に行ってきました。
井伏鱒二のすすめで太宰治がここに昭和13年9月から11月迄逗留し、«富嶽百景»の舞台となりました。
なお、富士山は雲に隠れていたため、写真は当日の朝、河口湖大橋で撮ったものです。