高校生の頃はバイトに明け暮れていた。

ごく普通の公立高校で、基本的にはバイトは禁止だったかな。
そんな事は気にしてなかったし、両親も反対はしなかった。

高1の冬から卒業するまでの間、小さな雑貨屋さんではたらいた。
数坪の店内は、可愛いキャラクターの文房具からアクセサリー、帽子
かばん、ぬいぐるみ、インテリア小物など、商品で溢れていた。

文字や絵を描くのが好きなあたしに、その店のご主人さんは、
プライスカード、ポスター、POP、チラシ広告の原案から、年賀状の
デザインなど、やらせてくれた。

『へぇ~なかなかうまいな~。』って言われたら、うれしくて…。
自分なりにいろいろ研究するようになった。

買い物に出かけると、店の飾り付けやプライスの表示方法、デザイン
描き方のテクニック(当時は手描きがほとんど)そんなものばかりみていた。

上手く描きたい、もっと、いい感じに…

ご主人さん、今はどうしておられるかな?
数年前に店の前通ったけど、もう違う店になっていた。

あたしの事、覚えているかな?
あたしは、今でも、感謝しています。 

お客さんの目にふれる…人に見られるために描く事。
教えてくれた。

まだ、子供だった、あたしに……。