小学校4年生の春だったかな…  
うちの近所に電気屋さんができた。

ある日の下校途中、友達と別れ1人でその電気屋さんの前を通りかかった。
なぜかシャッターが閉まっていて、1人のおじさんが、その閉まったシャッター
に向かって、何かしていた。

近くまで来てみると、おじさんは、筆を持ち、ペンキの缶をぶら下げて、シャッター
に、文字を描いていた。

その筆の動き、描かれていく文字……

すごい!!と、思った。おそろしいくらい…   魅了された。    

今、考えると、あの日、あの光景を見ていなければ、
あたしの人生は、ちがったかもしれないな…
今、考えると、すべての原点は……   あの日。