「宇宙人ポール」@したまちコメディ映画祭 | 造型と映画とゲームとアニメとねずみとねこと首チョンパのブログ
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前売り券をあらかじめ買っておいたおかげで行ってくることができました…。映画に関してのみ用意周到な自分に感謝永遠に。

上演前に町山さんと浅草キッドのトーク。スコットピルグリムの時はあんまり面白い話聞けなかったけど今回は濃くてよかった!いつも通りのしょうもない脱線トークで始まるも水道橋博士のうまーい舵取でとても面白く聞けました。5時に夢中の時と一切変わらない玉さんにもニヤニヤ。
解説のなかでもポール=パウロというのはまさに目からウロコ!映画を見てさらになるほど!と感心しました。



映画本編もめちゃめちゃよかったです。上映前の町山さんのエリア51レポートを見ていたおかげで舞台への理解が格段にアップ!

母性に帰りたい宇宙人ポールを、SFオタコンビが助けるっつうお話。タイトルが「宇宙人ポール」なだけあって物語の中心はあくまでポールで、サイモン・ニックコンビが大好きな俺からするとそこはちょっともの足りない。

その代わりポールのキャラクターは素晴らしい!英語ペラペラとか、タバコ好きとか、マーヴィン・ゲイが好きとか、やたらと地球に詳しくて、なんとなくレベルEのバカ王子を思い出しました。

大量のSF映画ネタが出てきて結構わかんないのもあったので、キックアスやスコットピルグリムに比べるときっと間口は狭いんだろうなあ。

けど知らなくても楽しいはずなのでヒットするといいなあ。ショーン・オブ・ザ・デッド、ホット・ファズときてきっとサイモン・ニックファンも増えてるハズだよ!



この映画は「異文化に対する理解」の映画でもあると思ったんだけど、日本との価値観の違いを何度も感じました。

まず、日本の娯楽にオタクが登場する場合、そのほとんどがオタクを嘲笑う形で登場させます。特にテレビドラマではそういう傾向が強い。
対して「宇宙人ポール」もバカにするニュアンスは含まれてはいるんだけど、そこには必ず愛もある。「こいつらバカでキモいけどでも憎めないよね」っていうスタンス。


次に、人や動物が死ぬのを平気でギャグにするということ。これ日本では今ではほとんどやんないよね。
「宇宙人ポール」は鳥一回、人間三回で計四回生き物が死ぬのをギャグにしてますから。

後は…日本は宗教ネタもギャグにしない。映画に新興宗教なんかが出てくるときは必ず重い映画になるからね。宗教狂いのオバハンとか出したら超面白いと思うけど。
「宇宙人ポール」は一番ヤバいタイプのキリスト教信者を徹底的に茶化してます。それによってちょっと問題になったと町山さんが解説してたけど…まー体をはったギャグだよ!日本だと天皇崇拝者にウンコかけるみたいなことかしら。


国によって色々価値観に違いがあるけども、今の日本のランキングに入るような映画の価値観て、どうも一方向に偏り過ぎてる気がする。「ヒーローショー」とか「サイタマノラッパー」なんかを見ると、日本映画もまだまだいけるな!と思うけど、これどっちも単館だしね…。



とダラダラ書いたけど「宇宙人ポール」も単館。渋谷の単館系映画館とか閉まりまくってさーますます映画の価値観が固定されるのかと思うと悲しいので是非広く一般にヒットしてほしいなー。



日本にもこないかねぇポール。もし既にいたとしたら名前はなんになるだろうか…


宇宙人ペリー?





映画のあとヴァニラ画廊に寄ろうと思ったけど既に閉まってました。日曜に17時に閉まるってなんだよ!商売する気ないんかい!ということでもう行けそうになく、少し萎えた。