育児ストレスと心理学
育児ストレスや育児不安の研究は、研究者の牧野(1981)が、育児不安尺度を作成して以来、数多く行われている。牧野は、育児不安について、「無力感や疲労感あるいは育児意欲の低下などの生理現象を伴って、ある期間持続している情緒の状態あるいは態度」と定義している。確かに、子育ては楽しいことばかりではない。むしろ、理想が高ければ高いほど、ダメージも大きい。自分の子どもを嫌がる親はいない。しかし、あえていうならば、時と場所と環境が、その思いを複雑化する。佐藤ら(1994)は、育児ストレスを刺激(ストレッサー)として、こう捉えている。「子どもや育児に関する出来事や状況などが母親によって脅威であると知覚される。その結果、母親が経験する困難な状態」。子どもと戯れる姿は、誰でも、イメージできる。でも・・・脅威と感じる状況は、どんなものなのか。世界がきっと、違うように見えているんだ。ちょっとだけ困ったことは、子育てへの不安は、研究者によって育児不安、育児ストレスあるいは、育児困難感など様々な用語で示されており、その定義はまちまちであることだ。(日下部、2002)。近年の研究では、Lazarus & Folkman(1984)のストレス理論を基盤とした、育児ストレスの論文が増えている(川崎ら、2008)。ここでは、Lazarus & Folkmanのストレス理論に従い、育児中のストレッサー、その育児ストレッサーによって引き起こされるママの心の状態(ストレス反応)を育児ストレスと定義しよう。どうすれば、育児ストレスが少しでも軽減するのか、それを見つけだせるのか。課題である。